ちょっと肩透かし?「職業としてのヤクザ」

この「職業としてのヤクザ」は、「サカナとヤクザ」の鈴木智彦氏と溝口敦氏の共著だが、中身は対談集。
「働かずして年収10億円!」というキャッチに惹かれて読んでみたけど、少し肩透かしだったかな。

面白くないわけではないけど、「サカナとヤクザ」の方が断然読み応えがあったかも。


職業としてのヤクザ(小学館新書)

そもそも「働かずして年収10億」というのは、今の法律の下ではほぼ不可能なのではないか。
もちろん今もヤクザ組織の上納金システムは機能しているのだろうが、利益を得られるのはトップだけ。

しかも実力だけではトップには行けない。”運と実力”、両方を兼ね備えている人だけが出世できる。
これはどんな業界も同じことだが、そもそもヤクザには法的な制約や不確定要素が多すぎる。リスクの大きさに対して努力が報われることは少なく、割りに合わない気がする。

暴力団への締め付けは、この先厳しくなることはあっても緩むことはないだろうから、こうした傾向はますます強くなるだろう。親分への上納金システムがいつまで機能するのかも不透明だ。

具体的なヤクザの日常に関しては、この対談集よりも黒川博行の「疫病神」シリーズの方が詳しいかも。
中堅ヤクザがシノギにいかに必死なのかもよくわかる。
ちなみにこのシリーズは結構出ているけど、どれから読んでも楽しめる。

現実的にはほとんど旨味なしに思える「職業としてのヤクザ」だが、二人の対談に終始漂っているのは、「昔はよかったよなぁ」という懐古の念。
人間、歳をとると昔はよかったと感じるものらしいが、ヤクザ専門雑誌の編集者だったというから、実際的にも恩恵にあずかることもあったのかな。

 

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