フィクション

いや全然老いてないし、キレキレだよ?な「老いた男」

2020-10-06

「老い」とは一体何歳くらいからを指すのだろう?
本書「老いた男」も全然老いてないのだ。それどころかキレキレな元工作員。そもそも今どき60歳を「老いた」というのもどうなのか?


老いた男 (ハヤカワ文庫NV)

この「全然老いてない老いた男」は、元工作員。昔関わった案件が原因で、合衆国政府から逃げている。
名を変え、これまで完全に別人として20年近く暮らしてきたが、ある日突然居場所がバレて襲撃されるというストーリー。

あまり話すと面白味がなくなるので割愛するが、見つかってからは、怒涛の展開。逃亡の過程はロードムービー的でもあり、なかなかに楽しい。

共に逃亡することになる美人のルームメイトや、彼を追う側の若い黒人の軍人など、登場人物も魅力的。
そしてあまり出番は多くないが、忘れちゃいけない彼の二匹の愛犬たち。

時々に差し挟まれる含蓄ある言葉もまたいいのだ。例えば「イヌというのは、どんなに見込みがなさそうでも忠実なイヌになりたいものなのだ」とか(笑)
次から次へその名を変える、我らが「老いた男」は、常に冷静で物事の道理がわかっている。

解説の杉江氏曰く、本書は、「いろいろあるけど、しゅるしゅるっとおさまる」。まさにこの表現がぴったりくる感じw

”しゅるしゅるな終息”に文句のある方もいるかもしれないが、まあ実際、収まるときは収まるもの。
自力本願なのもいいんじゃないでしょうか。
The Old Manはかくあるべし。

 

 

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