ハードボイルド、アクション・サスペンスが好きな方には超おすすめ。
これ、久しぶりにすごく面白いです!!!
タイトルにした「敵は外人が大好きなアレ」の進化系に主人公が挑む形のアクションものだけど、戦闘力は「グレイマン」以上?
そのマーク・グリーニーも絶賛しているとか。
ネックは価格が高いことだけど、その価値は充分あり。
とはいえ、文庫などでもっと手に取りやすい値段で出ていたら、もっと売れるだろうになぁ・・・
あらすじ
物語はサンフランシスコのジャパンタウンで起きた日本人一家殺人事件で幕を開ける。
主人公は日本通の美術商ジム・ブローディ。過去関わった事件がきっかけで、現在はサンフランシスコ市警の日本に関するアドバイザー的立場にある。
両親ともにアメリカ人ながら17歳まで日本育ち。父親が日本経営していたセキュリティと調査を担う会社で一通りの訓練を受け、その父親が他界したあとは会社の半分を引き継いだ。
つまり、彼はただの日本通の美術商ではない。
サンフランシスコ市警に呼ばれ、凄惨な現場に駆けつけたジムは、そこに残されていたメッセージに驚く。それは紙に書かれた漢字一文字で、彼の妻が火災事故で亡くなった現場にも残されていたのだ。
今回の事件と妻の死は何らかの関係があるのか?
常用漢字でも当用漢字でもなく、およそどんな辞書にもない漢字だった。
ジムは東京の自分のセキュリティ会社の協力を得て、その漢字を調べるが、その手がかりを掴んだ国語学者が関西のある土地で謎の失踪を遂げるのだった・・・
特にアメリカ人が大好きなアレ
「外人が大好きな」と「関西のある土地」で、もう敵の正体はお察しだろうが、まあおよそ想像を超えるスケール(笑)
もちろんフィクションだが、ちょっと興味をそそられてググってみたら、二大勢力のうちの一派はそもそもが報酬に応じ複数のクライアントとビジネスライクな関係を築いていたとのこと。
もう一派の、主君に生涯仕えるイメージが強かったのでちょっと驚いた。
悪しき日本人気質
日本への興味と敬意もさることながら、同時に著者は日本人に特有の出る杭は打たれる的な気質をズバリ指摘する。
いわく、善行が期待されるが、しかし称揚されはしない。
何か失態をしでかせば、すぐさま敵に噛みつかれる。
ならば、何もしない方がまし。
今回のコロナ対策においてもそれは随所に見られるカモネ・・・
例のあの人をモデルにした登場人物も
あと面白いのが、コロナ検査キットやマスクを配るだの何かと世間を騒がせのさる実業家をモロにモデルにした人物が登場することだ。
陰謀を暴き巨悪に立ち向かうというストーリーには、この種の脇役は欠かせない。
他にもジムの脇を固めるのは超個性的なキャラばかり。
しかも皆超がつくほど有能。凡人だと即座にやられてしまってシリーズが続けられないからね(苦笑)
それぞれを主人公にしたスピンオフとかも書けそうなくらい魅力的。
私のお気に入りは(最弱の?)ジョージです・・・
陰謀のみならず、意外な真犯人的要素もあり、娘を守るというちょっと「96時間」的要素もありな盛り沢山。
このジム・ブローディのシリーズは米国ではすでに数作刊行されているそうで、ドラマ化の話もあるのだとか。
これからは映画からネット配信のドラマなのだろうな。
アマプラやネトフリによるドラマとかよくできてるもの。
次も楽しみ。
↓加湿器にGoodでした
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