フィクション

キング親子合作のパンデミックSFホラー「眠れる美女たち」

2020-12-03

読後感的には、「アンダー・ザ・ドーム」にとても似ている。

「アンダー・ザ・ドーム」は突如として脱出不能なドームに覆われてしまった田舎町のパニックを描いたものだが、今回は世界中が奇妙な疫病に襲われてしまうのだ。

 

眠れる美女たち 上
眠れる美女たち 下

【電子版】
眠れる美女たち 上 (文春e-book)
眠れる美女たち 下 (文春e-book)

「オーロラ病」と呼ばれるその疫病は、女性だけが眠りについてしまうというもの。
眠りに落ちるや否や、彼女らは繊維状の糸を放出しはじめ、繭を作り始め目覚めなくなる。
目覚めさせようとして、もしもその繭を破ると、彼女たちは常軌を逸して凶暴になり手当たり次第血の海に・・・

ただ、アパラチア山脈の小さな田舎町ドゥーリングには、ただ一人、眠っても繭を作ることなく普通に起きられる女が存在していた。突如としてドゥーリングの町に裸同然で現れたその女、イーヴィーは、事件を起こし女子刑務所に収監されていた。

果たして、彼女は何者なのか・・・
オーロラ病にかかった女たちの運命は・・・?
残された男たちは・・・?
 

どちらかというと、SFホラーというかファンタジー的要素の方が強い感じかな。
「アンダー・ザ・ドーム」はほのめかし程度ではあるが、一応「なぜそうなったか」という説明はあったが本書にはないし、起こる現象の不思議度もよりファンタジー的。

パンデミックを起因として描かれているのは、ずばり「分断」。
文字通り、眠ってしまった女たちと残された男たちの男女の分断。目的を叶えるための手段の相違による分断。目的は同じでも・・・

現実世界でも今まさにパンデミックの最中だ。私たちも様々な形で「分断」を日々実感しているところ。あちらを立てればこちらが立たず・・・考えさせられてしまう。

キングらしい、畳み掛けるような混乱と恐怖の煽りもあるが、個人的には少し中弛みも感じたかな。途切れ途切れで読んだせいもあるかもだけど。

合作ということもあるのだろうけど、最近のキングはソフト化してきている気がする。ま、私自身も歳をとったので、それも嫌いではないわ。物語には最後は希望が欲しい。

ただ、結局どんな状況下であっても、一番怖いのは人間なんだな。

 

 

 

 

  

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です