翻訳ミステリー大賞コンベンション2016@スウェーデン大使館 Part1

今年も翻訳ミステリー大賞コンベンションに行ってきた。
今年の会場は、なんと
六本木一丁目のスウェーデン大使館!
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スウェーデン大使館広報・文化担当官、アダム・ベイェさんによる挨拶で開会。
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まず、「七福神で振り返る翻訳ミステリーこの一年」から。
翻訳ミステリー大賞シンジケートの人気連載、「七福神の今月の一冊」から昨年1年のベスト作品を振り返るという恒例のコーナーである。
司会は今年も杉江松恋さん。
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写真は右から川出さん、北上さん、酒井さん、吉野さん。
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このコーナーは北上さんと杉江さんの掛け合いが面白いのだが、そんな北上さんの昨年のベスト1は、ヨート&ローセンフェルトの『犯罪心理捜査官セバスチャン 模倣犯』 なのだそうだ。理想のダメ男小説とのことだが、ただ、男と女の理想は違うので…

ちなみに、2位はクルーガーの『ありふれた祈り』、3位はインドリダソンの『声』とのこと。

 

2014年10月から2015年1月の間で、多く挙げられていたのがシーラッハの禁忌
人間の犯す罪とは何かという大きなテーマ(川出)シーラッハの作品は、常にフェアプレイなのか否か議論の対象になりがちだが、この作品に限っていえば、講談社ノベルズ本格ミステリに入れられてもおかしくない(酒井)と絶賛だったけど、杉江さんによれば、某マークの某なんとかとトリックが似ているとのこと。
誰かじゃあるまいし、シーラッハはパクったりはしない気がするけど、某が多すぎてネタ元特定できず…
ちなみに、酒寄センセ情報によれば、シーラッハの新作『テロ』は夏頃発売予定なのだそうだ。なんというタイムリーなタイトル!

 

次の2月から4月までからは『悪意の波紋 』
昨年、ミステリ界を席巻したフレンチ勢。好きな人はすごく好きだけど、ダメな人はとことんダメ。七福神曰く、興味がじゃんじゃん他に逸れていき、予想を全部裏切り場外乱闘で終わる(笑)

 

 

 

次の期は、圧倒的に『エンジェルメイカー』 昨年からずっとハーカウェイ押しだった杉江さん。「どうでもいいバカ以外、全て詰まっている本」とのことです。ちなみにハーカウェイはあのジョン・ル・カレのご子息。
ものすごくボリュームも中身もある本で、饒舌で饒舌で饒舌な本。でもお高い!杉江さん曰く、次のハーカウェイ本の版権はバカ高いそうで、これがバカ売れしてくれないと早川さんが買ってくれないとかww

 

最後は、しばし低迷していたディーヴァー復活の力作。
「どんでん返し」が常に期待されてハードルが高くなる一方にもかかわらず、挑み続けるディーヴァーの底力を見せてくれた。七福神が高く評価していたのは、いつもは伏線を張らないディーヴァーが大胆な策にでたこと。
『ボーン・コレクター』や、あの強敵との絡み方も非常に上手かった。
私もディーヴァーは本当に尊敬します!安易な方法に逃げないところも好き。

 

続いては、翻訳ミステリー読者賞の発表へ。
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読者賞は、A・インドリダソンの「声」!

 

インドリダソンさんにかわって、受賞の言葉を述べる翻訳者の柳沢さん。
おめでとうございます〜〜!
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以下、柳沢さんからのお言葉。

A・インドリダソンの『湿地』 を最初に翻訳したとき、”女性に対するあまりに激しい暴力”に衝撃を受けてしまい、「なぜ、こんなに酷いことが書けるのか、絶対に作家に直接会って聞かなくては!」と思いました。

そして実際に会いにいったのですが、私の問いに対して彼は、「これほど酷いことだからこそ、男性たちに伝えたいのだ」と答えたのです。彼は作家は全てを書き切るべきだという信念を持っていました。一目見て、人柄も本当に素晴らしい方だとわかり、以降は心服して翻訳をしています。
インドリダソン作品のテーマは、常に”犯罪と家族”ですが、彼は、犯罪は人々の壊れた心が原因であると考えており、それに対して人々が出来うることは「子供を愛すること」だけだと言っていました。

社会の最小単位である「家族」がきちんと結びついていなければ、社会は健全でありえないということだろう。この『声』も、柳沢さん曰く「ものすごく壊れた家族」から始まる物語なのだという。

読者賞の1位以下はこんな感じだった。
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今年は129名の方々が参加くださったそうだ。
翻訳ミステリ大賞と、ヨハン・テオリンさんの講演はまた後日!

 

 

 

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