メルボルンに行ってきた! 〜その2 フィリップ島でペンギン・パレード


フィリップ島はメルボルンの南東にある島で、車で約2時間。
世界最小のフェアリー・ペンギンの「パレード」は、メルボルン観光の目玉だ。


ペンギン・パレードって?

ペンギン・パレードとはなんぞや?

オセアニアに生息する体長30cmほどのフェアリー・ペンギンたちは、毎朝巣から海へと出勤し、一日中海で魚とり、日没とともに重たいお腹をかかえてヨチヨチと巣に戻ってくる。

サラリーマンにはぐっとくる光景だ。
その様子を見学するアトラクションがペンギン・パレード。彼らは6〜7匹の群れで行動するので、まるでパレードしているかのようなのだ。

日帰りの現地ツアーがいくつもあり、ホテルまで迎えにきてくれて連れて帰ってくれる。日本語ガイドのツアーもいくつもある。

席は、お高い順からアンダーグラウンド・ビューイング(屋内観覧席)、ペンギン・プラス(屋外特別観覧席)、屋外一般席がある。
日本語のツアーはだいたいプラスか一般席のどちらか。
私たちはプラスだった。

ペンギンたちの巣箱は、プラスのそばに作られているのでこちらのほうがパレードはよく見える(一般席はちょっと離れている)

ただ屋外なので、ペンギンたちを待つ間は寒い。
アンダーグラウンド・ビューイングは、プラスの地階にあり、屋内の温かい場所でガラス越しに間近で観覧できる。
70ドル(2019年5月現在)というお値段にもかかわらず、早めに予約しておかないと売り切れることも多いそうだ。



ペンギンの待ち時間は寒い!

GWのメルボルンは初秋といったところだが、街中も朝晩は冷え込むし、ましてやフィリップ島の海岸は南極からの風も冷たい。

ガイドブックには「上に羽織るものを一枚持って行こう」としか書いてないが、それは夏の話。

この季節、夜は10度を下回ることも多い。海風も冷たいので、羽織りものどころか、ウルトラライトじゃないダウンを持っていくかどうかの問題だ。

かさばるのでちょっと迷ったけど、持ってきてよかったと思った。
必要なければ車に置いておくこともできるけど、ないものはどうしようもない。



写真撮影はNG!

なぜなら、カメラのフラッシュで目をやられると、巣に戻れなくなってしまうから。
親鳥が巣に戻れなければ、雛たちは飢えて死ぬしかない。

鳥にとって目は命。ましてや日中、暗い海で漁をするペンギンたちは、闇には強くてもフラッシュのような強烈な光には滅法弱い。

以前はフラッシュさえたかなければOKだったそうだが、スマホだとフラッシュなしでは撮れない暗さだ。
自動フラッシュによる事故があまりに多かったために、撮影は一切NGになったのだそうだ。
人間にとっては「うっかり」でも、ペンギンにとっては致命的。
ペンギンたちはとてもかわいいので写真は欲しいけれど、彼らの健康と安全を考えると全面禁止もやむを得ない。

そういば、芦ノ牧温泉の初代猫駅長も写メのフラッシュ被害で失明してしまったと言ってたっけ…
夜行性動物にとってフラッシュは大敵。特に夜に動物をスマホで撮るのだけはしないようにしようと思う。

なので、ペンギンの写真は一切なしです。



フィリップ島には他にも野生動物がたくさん

ペンギンたちの前に…

日没まではたっぷり時間があったので、フィリップ島に生息する別の野生動物を見に連れていってもらう。ここは野生動物の楽園だ。

荒ぶるペリカン

ペリカンは思ったより巨大!
餌がもらえると思うのかワラワラと寄ってくるのだが、ちょっと怖いくらい。

荒ぶったり、黄昏たり
海を見つめて何を思う・・・?

たそがれるペリカン

再びバスに乗りこみ、今度は草原にやってきた。時々小雨もパラつくあいにくの天気だったが、おかげでこんな風景がみられた。

ザ・レインボー
スマホ撮影なので、ちっちゃ…


さて、やってきた草原には野生のワラビーとケープバレン・グースがいる。
カンガルーの小型版といった感のあるワラビーは、カンガルーみたいにマッチョではなく、お顔もシュッとしている。

下のグレーの鳥は、ケープ・バレン・グース。必ずつがいで行動するのだそうだ。ペンギン・ビジター・センターのすぐそばにもいたが、例外なくカップルだった。

仲良きことは美しきかな。

ケープ・バレン・グースのカップル



お客さんの8割は中国人!

そろそろ日没も近づいたのでペンギン・パレードを見るべく、ビジター・センターに行き、プラス席にいくと中国人団体客でいっぱい。
指定席システムではなく早い者勝ちなので、よく見える場所は彼らで占められていた。
小雨のパラつくなか、一体いつから待っていたので?

メルボルンの街中は中国語の看板がかなり目に付いたし、翌日のグレート・オーシャン・ロードも中国人団体客ばかりだった。
しばらく前まではお行儀の悪さも目立ったが、徐々にマナーも向上してきている感じ。
以前ならダメといわれてもペンギンをスマホで撮りまくっていただろうが、それもなかった。

人口が多いので当然と言えば当然かもしれないが、今や経済は彼らを中心に回っていると実感する。



そして、悲劇を目にしてしまう…

中国人の隙間から、ペンギンたちが海から上がってくる瞬間を目にした後は間近でペンギンを見られる通路に移動。

プラスの通路脇には巣箱が作ってあるので、帰宅の途につくペンギンの群れを至近距離で見ることができる。

フェアリー・ペンギンは、島に持ち込まれたキツネや猫によって絶滅しかかっている。
一日海で漁をしてお腹いっぱいに魚を詰め込んで陸にあがってきたペンギンたちの歩きはヨチヨチとのろい。
キツネや猫からすると楽勝だ。

ペンギン保護のために、キツネは駆除されてこの島からは一匹もいなくなったというが、実は今も安泰ではない。

その証拠に、あと少しで巣というところで悲劇が起きてしまう…

茶色の動物が、すごい速さでペンギンの群れにダイブ。
ペンギンたちはパニックになり悲鳴をあげている。

私たちのいるところからは死角になっており、顛末はみえなかったが、逆に見えなくてよかったかも…

茶色の毛の動物はポッサムかなとも思ったが、ポッサムは草食なのでペンギンを襲ったりしない。
大きさからいってたぶん猫だろうとのことだった…


「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」という本にも、小笠原の猫に苦慮している様子が書いてあったが、猫という動物はやっかいだ。

猫は発言力と行動力のある中年女性をメインに熱烈に愛されており、その存在が強く支持されている。
キツネのように捕獲して殺処分など到底許されない。
たとえ野良猫を駆除できたとしても、人が飼っている猫の管理が手薄ならなんの意味もない。

いろいろと考えさせられるわ…






ペンギンの後はシーフードプラッター

少し天気も回復したので、レストランの前にはガイドさんオススメの星が綺麗にみえるスポットに立ち寄ってもらった。テカポではとにかく星が見えすぎて逆にわからないくらいだったが、こでは南十字星もわかりやすい。

フィリップ島の名物はシーフード。
さっきのペリカンたちも漁師さんのおこぼれに預かっているそうだ。そういえば、お正月の有頭エビもオーストラリア産だったっけ…
ヤラ・バレーのスパークリングでお疲れちゃん!

そして、ここでまたしても中国人団体客にお目にかかる。ペンギンのときとは違う団体だと思うが、大宴会をしていた。
でもって、トイレに行く際に彼らの集合写真みたいなのにチラっと写りこんでしまったかも…(汗)



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