久しぶりに読書会に参加してきた。思えば去年の10月以来。
ご無沙汰で〜す!
課題本は、マイスナーの「アラスカ戦線」で、参加人数は12名。
顔ぶれもちょっとフレッシュでなかには数年ぶりの方も。
まずは皆でカンパ〜イ!!!
ちょっと写真が赤いんですが、どうも設定を間違えて撮ったらしく・・・
それはさておき、読書会スタート!
※ 以下、ネタバレあります。
平均点は、6.96点!(10点満点中)
最高点は10点で、最低点は5点。
そして、最も物議を醸したのが、物語におけるアナトラちゃんの存在だった。
これは、男女でバキっと割れた。男性陣に大人気だったアナトラ(健気で美乳だもんな)だが、女性陣からは微妙で彼女のせいで物語が引っ掻き回され悪影響を受けたという声も。
非難が集中したのは、「日高がアナトラを妊娠させた」ことだった。
日高は、使命、使命いう割には、やることはやっている(笑)しかもアラトナは若すぎるため今の時代なら淫行間違いなし。
日高は、使命、使命いう割には、やることはやっている(笑)しかもアラトナは若すぎるため今の時代なら淫行間違いなし。
だが、極限状態におかれればおかれるほど、本能的に生物は子孫を残そうとするものらしい。
和歌山のイルカの追い込み漁では、追い込まれたイルカたちがいっせいに生殖行為をするのだそうだ。そういえば、人口爆発が起きているのも、オマーンや南スーダンなど危険地帯だ。
和歌山のイルカの追い込み漁では、追い込まれたイルカたちがいっせいに生殖行為をするのだそうだ。そういえば、人口爆発が起きているのも、オマーンや南スーダンなど危険地帯だ。
というわけなので、どうか日高大尉を許してあげてください。
この本の極限など「女王陛下のユリシーズ号」に比べればゆるいわ!という意見もあったが、日高の本能のスイッチが入る程度には極限だったらしい。
横浜読書会は下ネタが不得意で、しかも女性比率が高いので割と気まずい感じ(笑)
というか、わたしは日高大尉は結構な家柄なのに三十路で独身という設定だったために、密かにあっち?疑惑を抱いていた。だから逆に安心したかも(笑)それはそれでアリだし別にいいんだけども。
その他のアラトナ関係への不満は、彼女の父親と兄が日本兵をいともたやすく殺してしまったことも挙げられた。
もうひとつ見解が割れた点は、スタートがトロいこと。最近の小説は、映画やドラマの影響を受けてか、まず最初にドカーンと打ち上げて読者の目を奪っておいて始まるケースが多い。スピード感もあるのが当然。だが、本書は古い本ゆえに、ゆるゆるっと始まる。私は、それがかえって新鮮でよかったりもしたのだが、これは好みの問題だろうか。
ところで、今回の読書会にはかつて新入社員として「アラスカ戦線」の編集に携わったという方も!長い人気を誇り、最近新訳版もでたばかりだが、当時の装丁がこれである。
本当はもっとカッコよく、手製の斧で熊に立ち向かう日本兵をフラゼッタ風にしたかったそう。うん、ちょっと「南極物語」風ではあるかも(笑)
フラゼッタ風ってなに?という方はこちらをどうぞ。
その他の感想としては、、、
*著者の日本人への造詣が深い
*「声に出して読みたい」ほど文章力が素晴らしい
*陰湿さがなく、さわやか
*日高、アランのそれぞれが人間として成長していくところがよかった
*日本、アメリカどちらも平等に描いているところがいい
*日本人の名前が変
*軍記ものとしては弱い
*アラスカの極限状態で、ろくな装備もなく生きていけるはずがない(リアリティがない)
*ラストが綺麗事すぎる(どちらか死ねや)
*本当なら日高はカリフォルニアの収容所に送られるはず
*地理がわからないので、地図を載せてほしかった
刀自本などの日本人の変わった苗字については、もっと妙ちきりんなものだったのを、翻訳者の松沢氏が適当な名に変えたのだそうだ。
また、アランが日高をエスキモーだと思うあたり面白かったという人も。日高のいうように私たちも日本人もモンゴロイドだ。皆そろって「平たい顔族」だということか。
映像化については、実はあの石原裕次郎が映画化権を持っていたのだそうだ。
石原プロっぽいといえばそうだけど、アラスカ・ロケができるほどの資金が集まらなかったのだろうか。
日高もアランも作中では30歳を少し超えるくらいだ。だが今、ソフト路線全開の日本の芸能界で日高ができそうな俳優はいるのだろうか。
個人的には無理に映像化などしないで、そっとしておいたほうがよい気がする。
というわけで、おしまい。
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