ゴーストマン読書会

先月末熱海 de ポンでも読書会をやったばかりだが、今度は横浜読書会スピンオフの読書会。
参加者は12名だったが、実はこれくらいの人数が一番盛り上がる。

改めて読むとやっぱりこれはスゴいと思ったが、横浜ではフィフティ・フィフティくらいで絶賛派と否定派に割れた。

しかし、気になったのは、ロジャー・ホッブスの顔写真を回覧したあたりから、女性陣の意見が辛辣になったことだった・・・

確かに我らがぽっちゃり君は、ルックスでは、トム・ロブ・スミスにも、『ハリー・クバート事件』ジョエル・ディケールにも遠く及ばない。

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しかし、ジョエル・ディケールのこの卑怯なことよ・・・。
イケメンぶりで勝負はできないものの、ぽっちゃりにはぽっちゃりの魅力と良さがあるのである。

銀行強盗の蘊蓄
*蘊蓄がうざい。
*無駄な部分が多く鼻につく。

しかし、オタクからすればその蘊蓄が面白いのだが・・・

映画、ドラマの影響と映像化
*映像化を前提として書かれている。
*物語自体、何も後に残らない。
*最初から小説ではなく映画にすればよかった。

どうせ小説を書くならば、そりゃ誰だってついでに映画化権もゲットしたいにちがいない。読者も映像的な描写に慣れているので、それが売れる小説の条件になっている。
でも、この小説の良さは、ゴーストマンのテンポある「語り」なのではないか。これを映像で決められた時間内に表現するのは実際かなり難しいのではないかと思うが・・・

*多くの犯罪小説と映画の良い部分の寄せ集めに過ぎない。
確かに、アトランティックシティでのホイールマンは、『ドライヴ』の主人公を連想させるし、タイヤ痕から、マツダのミアータでタイヤは純正などを当てるのもCSI的な感じがしなくもないが・・・

後を引かせるテクニック
主人公の背景を殆ど描いていない。
背景をあまり描かず、「どういう人なんだろう?過去に何があって犯罪の世界に入ったのだろう?」と読者に思わせるのは巧い
だが、そういうところがあざとさが鼻についた人もいたようだ。ちゃんと描きつつ、一冊で読者を満足させる小説もあるではないかという声あり。

*レベッカ=アンジェラ?という疑いも疑いのままで終わっている。
*アジアン・エクスチェンジの真の真相は実は別にあったのではないか?

敢えて後をひかせる描き方は賛否両論あった。個人的には全てが明らかであることより、人は隠されるもののほうに興味をそそられるものだということを、著者はよくわかっていると思う。逆に、深読みしなければ、そうは思えないという意見もあり。
また、この一作で誰にでもわかるようハリウッド的にキチっと纏めてほしかったという声もあった。

 

主人公ゴーストマンについて
*悪人が主人公というのが嫌い。
これは好みの問題なので仕方ないが、悪人には悪人の事情やドラマがありそれもまた小説の面白さでもあると思う。
ダークヒーローにはダークヒーローの魅力があるのでは?

*主人公が空疎でからっぽなので魅力を感じない。
逆に私はその空虚さに興味をそそられてしまった(笑)
重複になるが、主人公の背景を描かないのはおそらく敢えてのことだと思う。秘すれば花ではないが、隠されると余計に知りたくなるのが人間の性ではないか。

 

流行小説であることについて
テクノロジーも日進月歩で進化し顔認識システムなどが飛躍的向上している可能性も考えられる。監視カメラでの目鼻や耳の位置の確認(目鼻耳の位置は整形でも変えられない)、空港での光彩チェックの義務化などが進めば、ゴーストマンも商売が難しくなるはずだ。

犯罪が成功している犯罪小説は比較的稀で、それが非常に新鮮だったという声も。
実際、コトが終わってみるとウルフを嵌め、大金ではないがお金もせしめ、怪我もせず、華麗にヨットで海に乗り出している。
くたびれた中年の正義のヒーローばかりだったミステリ界に辟易している最中の絶妙なタイミングでの登場だ。

アトランティックシティという舞台
アトランティックシティは、ラスヴェガスなどに比べると確かに野暮ったく、さしずめ熱海といった雰囲気だろうか。(熱海の方、スミマセン)でも、犯罪を行うにあたっては、ラスヴェガスより、警備上の面からも成し遂げやすいという事情もあるのかも。
また、ウルフが支配する街という設定だが、ウルフ自体が大物というわけでもないのでアトランティックシティくらいが相応しいとも言える。

タイムリミットもの
「24」みたいという声もあったが、反面でゴーストマンは終始淡々として動じないため、あまり効果的ではなかったという声もあった。

華やかな演出
プライベートジェット、アンジェラの美術館で盗んだという豪華なイヤリング、ヨットでの優雅な逃走など意識的にハイエンドなものをとりいれているので、華やかさが増しエンタメ度も上がっている。
アトランティックシティのコンシェルジェの容姿も所作も非常にエレガント。アメリカ人で筆記体が書けるのはアッパーな香りがした。

どういうものが人を惹付けるのかよくわかっていてやっていると私は思ったが、これも鼻についてしまい、あざといと感じた人もいたようだ。

文体について
文体についても賛否両論。読みにくさを感じた人と、勢いがあり読みやすかったという人とに割れた。
後者は「文体はトム・ロブ・スミスより上」「大人の男のVoice」などキャッチにうまくのせられてる感もあったのかもしれないが(笑)

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