ガール・オン・ザ・トレイン / ポーラ・ホーキングズ

明日からまた日常が戻ってくる。一週間、頑張らねば(なにを?)

それはそうと、箱根駅伝は青学のぶっちぎり!!!
ぶっちぎりすぎで逆にツマラナイ。
青学ってついこの間まで駅伝で優勝するような感じでもイメージでもなかったが時代なのだろう。我がエンジのWはもしやシード落ちか?!と心配したが、4位でフィニッシュできてよかった。

さて、なんだかんだで忙しく、年を跨いだ『ガール・オン・ザ・トレイン』
まさに英国版『ゴーン・ガール 』だ。ただし、英国版だけあって少々ウエット。

主人公はレイチェルという女性。彼女は毎日ロンドン郊外のベッドタウンから電車に乗る。車窓からはかつて自分が元夫と暮らしていた家がみえる。その家には元夫のトムとレイチェルから妻の座を奪ったアナと二人の娘が暮らしている。一方、今のレイチェルは以前よりもかなり太り、見るからに荒んでいる
元自分の家から4軒離れた家がレイチェルのお気に入りだ。そこには美男美女のカップルが暮らしている。レイチェルは”仮に彼らを”ジェイソンとジェスと名付け、色々な想像をして楽しんでいた。
幸福そうな二人にレイチェルはかつての自分とトムを重ねていた。彼らは彼女が失ってしまったもの、そのものなのだ。

だが、ある日、レイチェルはジェスの裏切りを目撃する。そして、ジェスことメガンは突如として失踪してしまうのだった・・・

 

物語は、レイチェル、メガン、アナの三人の女性の独白という形で描かれる。
レイチェルとメガンの独白シーンにはタイムラグがあり、おまけにレイチェルは酒によるブラックアウトのため、決定的なシーンの記憶を失ってしまっているのだ。その時、何が起こったのか?が本書のミステリー。

構成も「ゴーン・ガール」に似ており両者とも男女の物語でもあるが、展開も全体としての印象も全く異なる。なんだかせつなくさもあるのだ。

paula hawkins
アルコール依存症で、時に記憶がブラックアウトしてしまうレイチェルは、語り手としてはかなり頼りない。
不妊が原因でアルコール依存症になり、慰めを他の女に求めた夫の不倫相手が妊娠し離婚。しかし元夫には未練タラタラ。惨めだ。だが、どこか応援したくなるキャラクターでもある。

話は逸れるが、実は私の友人が全くレイチェルと同じ体験をしている。彼女はとても強く立派な女性なので、レイチェルのようにいつまでも引きずったりせず、生まれてくる子供のために、元夫と妊娠した不倫相手を祝福して身を引いた。今は彼女も再婚し、優しい旦那さんと息子さんとともに幸福に暮らしている。
立派すぎる・・・。
しかし、そういう女性だから幸福を手繰り寄せることができたのだろう。

だが、皆が皆、強く立派でいられるわけではないので、私は結構レイチェルには大いに同情し、応援しながら読んだ。

何ごとにも裏面というものはある。私たちが「絶対そうだ」と思っていることでも、実はそうではなかったりすることも多い。
人は見たいものしか見ないというが、その死角をつくようなミステリーだと思う。

 

 

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