うれしい知らせが飛び込んできた。
ナダル、モンテカルロに続きバルセロナでV10!
自分の名前を冠したコートで”ラ・デシマ”達成となった。やー、おめでとう、おねでとう。
ナダルも30歳。この6月で31歳になる。19歳で全仏を制して10年以上もトップ選手であり続けているけど、怪我も多くここ数年は特に体力面の低下も顕著だった。
が、ここにきてのナダル完全復活!
全仏も絶対絶対優勝してほしいな。
と、テニス界はいまだフェデナダが君臨しているが、フィクションの世界も老兵健在。今日の本題は、ボブ・リー・スワガー・シリーズの最新刊なのだ。
スワガーも好きなヒーローの一人だ。
世の中には全く歳をとらず、「もうさすがに警官は定年なんじゃ?」という人さえいて(苦笑)まるでサザエさんのように同じ日常を繰り返すだけの御仁もいるが、彼は現実に即してちゃんと20数年分の歳をとり、なんと71歳になっている。
ボブは年寄りになった。そして自分に問いかける。これからなにをしたものか?
妻はスワガー家の男たちについて本を執筆したらどうかと提案するのだった
スナイパーの家系のスワガーの男たちのなかで最も奇異で謎なのはボブの祖父チャールズだった。
ボブとその父アール同様に彼もまた戦争の英雄であり、帰還した後は地元ポーク群の保安官を務めたらしい。だが、彼にまつわる物語は不明瞭であり、ボブの父アールは決してチャールズのことを息子に語ろうとはしなかった。
そんな折、スワガー家の地所からチャールズの遺品と思しきものが発見される。
コルト45と真っさらな千ドル紙幣、謎の地図、そしてFBIの前身である司法省捜査局のバッジだった。
そのバッジは1934年のみに用いられた特別なもので、その年はジョン・デリンジャーやベビーフェイス・ネルソンといった銀行強盗たちが相次いで狩られた年だったのだ。
チャールズはそのマンハントにどう関わっていたのだろう?
ボブは祖父の謎に満ちた事績を追うのだが・・・
スティーブン・ハンターであるから、当然銃についての説明的描写には妥協がない。逆にいえば興味のないものにとっては、少々辛いページが続くことにもなる(苦笑)
しかし、舞台は世界恐慌のあおりを受けた禁酒法時代なのだ。それも1934年。
この時代が私を救ってくれる。
映画「パブリック・エネミーズ」をご覧になった方は、その時なにが起こったかお分かりだろう。FBIの前身組織から、“Public Enemy No.1“と名指しされつつも、その鮮やかな手口と貧しいものからは何も奪わないことで大衆から人気を得ていた「デリンジャー一味」はこの年、相次いで銃弾に倒れ、最期をとげるのだ。
時代設定を知るにはあの映画を観るのがてっとりばやい。
「撃たないでくれ!Gメン!」などの有名なセリフを知っているとより楽しめると思う。
が、本書が描かれたきっかけは、ハンターがこの映画が気に入らなかったからなのだそうだ(苦笑)
評判が良いので読んでみたのだが、予想通りの展開でこれといって意外性はなかった
もうこれしかスワガー・シリーズを描く手法がないのもよくわかるが、ボブが過去を探るというパターンも三度目だ。さすがにマンネリかな?
物語の膨らみそのものも歴史それ自体を楽しむ上でも、「第三の銃弾」の方が出来が良いと思う。
一つだけ、なぜ祖父チャールズにサム・カウリーがいうところの「死の願望」があったのかという謎は興味深かった。
あの時代と彼の性格からすれば、とても耐えられないことだったには想像に難くない。そのデリケートな部分にも今少し踏み込んでみても良かったのではないかなぁなどと思った。
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