2015年 勝手に今年のミステリベスト10 

昨年の11月から読んだ主だった本を振り返ってみた。(※再読は含まず)
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早川率高し!(なので、たまに文句をいう権利はあるはず…)
⭐️三つが、私的にスゴク面白かった、良かった!という本
⭐️二つは結構良かった
⭐️一つは、まあまあかな
⭐️なしは、可もなく不可もなくor この作家のベストではない
🔺は、オススメはしません…という感じ。

ここからノンフィクションを引いて、個人的な感情移入をたっぷりとした結果、
トップ10は、、、、

 

1位 『ありふれた祈り』 ウィリアム・K・クルーガー
ご存知2014年のエドガー賞受賞作。
横浜読書会ではその評価は低かった…のだが、私は個人的に、数年前に亡くなった愛犬の死を悼み、その悲しみから回復したという体験を重ねて読んだので、思い入れもたっぷりで、印象に残った作品になった。これまでオコナーシリーズで、男性的で骨太な作風で知られたクルーガーが、新境地を開いたということも評価したい。

 

 

1位 『ザ・ドロップ』  デニス・ルヘイン
ルヘインは好きな作家ということもあり、多少の贔屓もあって同立1位とさせてもらった。
本作には『夜に生きる』のような派手さはないが、ボストンの裏町に生きる「負け犬」の姿を、ルヘインらしい情緒をもって描いた犯罪小説だ。人物描写はもちろんのこと、裏町特有の空気の重ささえ感じさせるのはさすが。
トム・ハーディ主演で映画化もされている(というか、映画ありきで小説ができたというべきか)

 

 

3位 『サンドリーヌ裁判 』 トマス・H・クック
「過去の秘密」をテーマに書き続けているトマス・H・クック。手口はだいたい読めるし、もう読まなくてもいいかな?と思いつつ手にとるのだが、その度に「やられたなぁ」と思う。
本書の帯のキャッチは「結婚は人生の墓場ではなく、人生の処刑場かもしれない」なのだが…私はこの本からこんなネガティブなことを感じてほしくはないかな。

 

 

4位 『亡者のゲーム』  ダニエル・シルヴァ
主人公はイスラエルのスパイで絵画修復士ガブリエル・アロンのシリーズ。スパイと絵画、もうもう、私の好きなものが全部入っているエンタメ。
エンタメでありながらも、現在の中東情勢へ切り込んでいく手腕もさすが。
カラヴァッジョの「キリストの降誕」が、本書における聖杯的役割を担っているのだがシリーズにのめり込んでしまった。

 

 

5位 『悪意の波紋 』  エルヴェ・コメール
昨年の『その女、アレックス』今年の『悲しみのイレーヌ』といい、時代はフレンチミステリかも!
もうね、、、古臭くてワンパターンな北欧ミステリとか読んでる場合じゃないから。
一件落着したと思われることの真相が明らかになることで、さらなる驚きがもたらされる様は圧巻。”偶然”というものを扱ったこれまでにないミステリ。

 

 

6位 『もう過去はいらない』  ダニエル・フリードマン
皮肉とユーモアと老人パワーにあふれた前作『もう年はとれない』は、「このミス」入りもし評判にもなったが、本作でもバック節は炸裂。

 

 

 

 

7位  偽りの楽園(上) (下)
トム・ロブ・スミス

トム・ロブ・スミス待望の新刊。本書は彼自身の家族に実際に起こったことをもとにしているとのだいう。前作とは何もかもが異なり、手に触れられるかのようなリアリティがある。

心理的に最も不安定な場所に置き居心地の悪さを感じさせるその手腕もさすが。

 

 

8位 ドクター・スリープ 上
スティーヴン・.キング
懐かしの『シャイニング』の続編。
だが、雰囲気はまるで違う。なぜなら、キング曰く「『ドクター・スリープ』を書いた男は、『シャイニング』を書いた気のいいアルコール依存者とは別人」なのだから。

 

 

9位 『窓際のスパイ』  ミック・ヘロン
原題は『Slow Horses (Slough House)』
通称「泥沼の家(スラウ・ハウス)」といわれている窓際部署の連中が結束し、奮起するというストーリー。
シリアスなスパイの世界を描きつつも、ぷっと笑わせてくれる。この続編の「Dead Lions」は2013年のゴールドダガー。

 

 

10位 『悲しみのイレーヌ』 ピエール・ルメートル
「その女 アレックス」もそうだが、ルメートルは他人を見る「人の視点」にこだわって書いているなぁという印象。
「アレックス」はガランガランと音を立てるかのごとく、章立てごとに見える世界が変わったが、本書も負けてはいない。後半も後半、読者は「あっ!」と言わせられる。

 

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