今年は寒の戻りもあって桜も長く楽しめている。
横浜のソメイヨシノはもう葉桜になってしまったけど、八重桜は今が見頃。
皆、口を開けば「桜も終わったよね」というけれど、八重桜をお忘れでない?
八重桜は濃い色合いが厚化粧のおばさんみたいで好きじゃないという人もいるけど、華やかで私は大好き。
ソメイヨシノに遠慮するかのように、遅れてぽってりと咲くとこもなんだか可愛いらしい。
長らく花桃と八重桜を混同していたけど、よくみると違うよね(汗)
こういう赤い花も全部八重桜だと思ってた(苦笑)
開花時期も同じくらいだし。
南信州の「花桃の里」にも行ってみたいけど、そう気軽にも行けないので、近場で八重桜を楽しもう!
横浜の八重桜スポットはまず「関内桜通り」
飲食店の多いゴチャゴチャした通りなのだが、両脇にはずらりと八重桜。
路駐の車や雑多な景色をみなければ、まぁなかなか素敵(笑)
圧巻なのは「菊名桜山公園」かな。
地元の方には”カーボン山公園”という名で親しまれているこの公園は、高台にサトザクラの”カンザン”という種がたくさん植えられている。
「関内桜通り」もこの品種だと思う。丈夫なので街路樹としても多く使用されているのだとか。
ちなみに和菓子や桜湯などに使われる「桜の塩漬け」もこのカンザンなのだそうだ。
まだ満開ではないけれど、ピンクが空に映えて綺麗だ。
新しい元号、「令和」の典拠となった万葉集は、大伴旅人の梅花の歌だったというが、梅や桜にはどこか「いにしえ」の風情がある。
八重桜といえば百人一首でも有名な伊勢大輔のこの歌。
古の奈良の都の八重桜、けふ九重に匂ひぬるかな
一条天皇の御代、奈良の僧侶から八重桜が献上されることになり、それを受け取る役をつとめることになった伊勢大輔が、道長の命で即興で詠んだ歌だ。
実はその大役は先輩の紫式部が彼女に譲ってくれたもの。
いにしへとけふ、八重と九重、重なりあう花弁のように呼応や掛詞が使われた情景も美しいこの歌によって、伊勢大輔は見事周囲の期待にこたえた。
カンザンも奈良時代から伝わる古い品種のひとつではあるらしいが、伊勢大輔が僧侶から受けとったのは、奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)という種のより小ぶりな桜だそうだ。
見上げると、ロード・オブ・ザ・リングにでてくる木の巨人みたい。
まさに「光のどけき春の日」のお花見でした。
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