死の天使 ギルティネ / サンドローネ・ダツィエーリ

女性捜査官コロンバと失踪人専門コンサルタントのダンテのコンビ「パードレはそこにいる」 の続編。忘れていたが、このシリーズは三部作だった。
前作が面白かったので読んでみたのだが、勢いは衰えず。

 

 前作「パードレはそこにいる」 で二人はローマ近郊で起こった少年行方不明事件で初めて出会う。

当時コロンバはある事件で大怪我を負い、怪我が癒えた後もパニック発作に苦しみ休職中だった。彼女は辞職を決意していたのだが、直属の上司が命じたのは事件の解決。そのパートナーとして白羽の矢がたったのが、失踪人捜索専門のコンサルタント、ダンテだった。
ダンテは6歳のころに誘拐され、以来11年間に渡り監禁されたという過去を持つ。その痛ましい体験のため普通の人にない観察眼を持っていた。彼はこの事件の背後にかつて自分を監禁した”パードレ”の存在を確信し、コロンバと共に事件解明に乗り出す。
二人はパードレを追い詰めその正体を明らかにするが、ダンテの素性については未だ謎のまま。
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本作「死の天使ギルティネ」では、<少女>がスカートラ(箱)と呼ばれる場所から逃げ出すシーンで幕をあける。まだそこがソビエトだった時代の話だ。スカートラはどんな強制収容所より酷い場所だった…
一方、現在のローマでは、列車の先頭車両の乗客全員が死亡という事件が起こる。イスラム過激派が犯行声明を発表したせいで、イスラミックセンターには警察による”ふるいがけ”の掃討作戦が行われ、コロンバもまたイスラム社会との衝突に巻き込まれてしまう。
停職に追い込まれたコロンバは非公式にダンテに協力を仰いで捜査を続ける。やがてダンテはこの殺人の背後に謎の女の姿があることに気づくのだが…
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スケールの大きな組織的犯罪と、ダンテが持つ壮絶な過去と特殊な才能…
このスタイルは紛れもなく「ミレニアム」
近頃はまたブームも変わって、これほどパンチの効いたものはあまりお目にかからなくなったが、ド派手なエンタメがお好きな方向き。
本作に登場した<少女>とダンテの類似性や関連性も気になるところだが、とにかく次々に予測のつかないことが起こり、目が離せない。そして、「ええ…」というような気をもたせるところでto be continued 。海外ドラマの手法だな(笑)
しかし、本作でまたまた大風呂敷を広げた感があるのだが、果たして三部作でカタがつくのだろうか…?
 
 
 
 
 
 
 
 

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