リンカーン・ライムともキャサリン・ダンスとも全然違う、賞金稼ぎのショウが主人公のディーヴァーの新シリーズの三作目。
待望ではあったが、如何せんお高い。
電子版でお値段2,800円…
でもやっぱり買ってしまうし、やっぱりディーヴァーなので読みやすいし流石の安定感。リンカーンなどとは少しばかり料理法は異なるが、「どんでん」も堪能できる。
一作目は”ゲーム業界”、二作目は”カルト”。
すっかり前作を忘れていたので、読み直して見たが、二作目はまさに今が旬。
改めて読み直すと、さすがはディーヴァーでカルトの定義も明記されている。
曰く、カルトは次の6つの条件に当てはまる。信者の生活環境を支配すること、報酬と罰の制度があること、信者に無力感を抱かせること、恐怖で支配すること、指導者や集団に依存させること、信者の行動の矯正を目的に掲げていること。
かつてのオウムには全て当てはまるだろうし、今世間を騒がせている銭ゲバ宗教もそうなのだろう。
というか、全ての宗教には多かれ少なかれこうした側面がある気がする…
話はそれたけど、三作目の本作は、当初からずっと引きずってきたショウの亡き父親の敵に迫る。
主人公のショウは元大学教授で”サバイバリスト”の父親アシュトンに、サバイバルすなわち生き残ることを徹底的に教え込まれて育った。というのも、アシュトンは敵対する謎の組織の存在に怯えていたからだ。そして、謎の死を遂げている…
今回ようやく、その組織の正体が明かされ対時することになる。
タイトルには「ファイナル」とあるし、本の紹介には三部作完結とあるから、始まったばかりなのにもう終わっちゃうのか〜と思っていたら、案の定終わらないw
今回のテーマはあえて書かないけど、今の世の中のように、一握りの大企業が強大な力を持つようになると、本気で心配しなければならないことだなとも思った。
まぁ流石のGAFAも減速しつつあるようだが。
リンカーンもキャサリンも警察組織の人間だから、必然的に凶悪犯罪人VS警察という構図になってしまうが、その点、ショウは文字通り自由に動けるから、物語の展開の仕方も見せ方も違ってくる。
しかも、ショウは結構かっこいいし、頭もいい。
これで終わらせるにはもったいなさすぎるとディーヴァーも思ったのだろうなぁ。
何より今回は新キャラ登場。で、これがかなりな重要人物なのだ。まあ、登場人物一覧を見ればすぐわかるけれどw
謎の多い人物で、どうやら政府組織に属しているらしい。彼が物語に加わることで、賞金稼ぎのショウの挑む敵がもっと強大なものになっていくのだろうなぁと感じさせる。
加えて、二作目の「魔の山」で知り合ったヴィクトリアとの仲も気になる。
ということで、次作も楽しみ。
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