トランプ / ワシントン・ポスト取材班

先日の明け方の地震に引き続き降雪の予報にびっくり。まだ11月ですが(゚д゚)

びっくりの連続だが、最近一番驚いたのは、やはりトランプが次期大統領に選ばれたことだ。

メディアや識者は「なんだかんだいってもやはりヒラリーだろう」と予想していたし、わたしもそれを疑いもしなかった。しかし蓋を開けてみたらトランプ大勝利。
 
阿倍首相は、そのコミュ力を駆使し他国に先駆けトランプ氏と会談を行い、「信頼できる指導者だ」と評したが、信頼もなにもいつまでもつのか。
アメリカ経済は今までのところ強気一辺倒でダウ最高値を記録しているが、日本経済への影響はどうなんだろう?
 
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ということで、今一番ホットなトランプ本を読んでみた。
 
本書は、共和党大会でトランプが大統領候補に選ばれた直後に、まずアメリカで発売され話題になった本であるという。
ワシントン・ポストの記者20名からなるチームが総力をあげて調査し、トランプ氏本人、またはその周囲の人間にインタビューを行いまとめあげたものだ。様々なエピソードを交えることで多面的にトランプ氏の人物像に迫っている。
 
それに他のトランプ本と一線を画すのは、本書はトランプ大統領になるとどうなるのかを解説してくれる本ではなく自分で考えるためのものなのだ。
全部で400ページを超えるがボリュームは感じさせない。トランプ氏自身が面白い人物なので、ちょっとした小説より面白いかもしれない。
 

 
つい先日、アンチ・トランプの急先鋒と言われたニューヨーク・タイムズに、トランプ本人が訪れ関係修復を図ろうとしているということがニュースになっていたが、ワシントン・ポストもまた、終始アンチトランプの姿勢をとってきた新聞社だ。(というか、トランプにとっては全マスコミが敵だが)
トランプ自身は、本書に即座に反応し
「奴らの不正確な記事を混ぜ込んだ退屈な本だ。買うな!」
と言ったそうだが取材ソースは本書では全て明らかにされている。メディアがニュースを創造するといわれて久しいが、本書のエピソードに関しては裏はとれているということか。
 
不動産王という肩書きを持つトランプは、確かに不動産を売って名をあげたが、常々彼が売りたいと思っていたのは「ドナルド・トランプ」そのものだったという。そして彼はそれを売る才能を持ち合わせていた。
トランプは、常にどうすれば注目を集められるかを考え、マスコミが興味を示すのは、富、セックス、喧嘩で、それは自分の得意分野であることも自覚してもいたのだ。
金持ちの生まれなのに、あたかもタクシーの運転手のような喋り方をし、大衆の気持ちを読むことに長けている。
彼がとりわけこだわっていたのは、「素晴らしい成功を収めた経営者」イメージだという。しかし、本当は自分で宣伝するほどの大金持ちではなく、一時期は借金漬けだった。その時も金ピカ生活を送っていたが、40歳を過ぎたいい大人のくせに父親から金を融通してもらっていたりもしていたのだ。
 
 
好人物か否かは別として、これほどキャラが立ち話題になる人物もそういないため、エンタメ界も放ってはおかない。彼は「アプレンティス」というビジネス・リアリティ番組に出演したことで人気を博し、それをきっかけに窮地を脱する。
 
この番組は一時期Wowowでも放映されていたが、トランプをホストに据え、参加者が与えられた課題を勝ち抜き方式で闘っていくという内容だった。
彼の決めセリフは「君はクビだ!」
そして番組のボードルームには、娘のイヴァンカや、ドナルド・ジュニアなどの今家お馴染みの顔が並んでいた。
 
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トランプ当選後、日本の識者と名乗る人々が口々に「予想に反してよい大統領になるのではないか」「日本にとってもよかったのではないか」と持ち上げ始めたが、私にはどうも信じられない。
もしもよい大統領になったとして、毒気が抜けたら抜けたで、大きな変化を望んだトランプ支持層は受け入れるのだろうかとも思う。
 
ビジネスの初期、ニューヨークのホテルプロジェクトの際に、彼は窮地に陥る。トランプ自身は尊大で自信満々だったが、その指示は素人くさく見当違いなものだったという。それでも経験豊かな設計者や下請け業者は異を唱える勇気がなかった。
結果として、全てを仕切る人物が攻撃的で絶大な権力を握っていて、しかも経験不足という救いようのない状況が生まれたのだという。
 
結局、このプロジェクトでトランプは、莫大な負債を負うが、失敗は全て他人のせいにする。これを米国大統領という職で繰り返されなければいいけど。
 
また、トランプは三度結婚しているが、現在のメラニア夫人は「大人しく従順」なところが気にいられたのだという。
イヴァンカやジュニアは彼女のことを、「ポートレート」と呼ぶのだそうだ。なぜなら、ほとんどしゃべらないから
トランプの妻たちは皆一様に、一流ではないモデルや女優出身であり、一人として特権階級の女性はいないという点も興味深い。
これもまた、印象に残るエピソードだった。
 
 
 
 
 
 
 
 

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