期待しないで読んだけど、意外な掘り出し物だったハードボイルド。
二転三転する推理小説的面白さもあり。
退役軍人で放浪癖のある主人公のトムの設定はちょっとリー・チャイルドのジャック・リーチャーを連想させる。
田舎町で恋人のステラと平穏な生活を送っていたトムのもとに、一本の電話がかかってくる。シールズ時代の上官キャリントンからの緊急の呼び出しだったが通常とは若干手順が異なった。
不審に思いつつも赴くと、戦地でのトムの命の恩人カヒルが何者かの攻撃を受け姿をくらましたという。トムにカヒルを救って欲しいというのだが…
著者のダニエル・ジェドスンは日本お初。
デビュー作でシェイマス賞の最優秀ペイパーバック賞を受賞したという実力者。
詳しい経歴は明かされていないが、自らも放浪癖があったというからトムと少し似ているのかもしれない。
父親がわりというキャリントンへの信頼、命を救ってもらったカヒルへの恩義とかが物語の核になっており、まあベタ感じではある。好きな人は好きな漢の世界というか(笑)
ただ、こういう作家は女性がステレオタイプなことが多いけど、トムの年上の恋人は魅力的だ。
特筆すべきは、武器特に銃器の説明がやたらに詳しいことだろうか。
全米ライフル協会会員のスティーブン・ハンターでさえこんなじゃない。私などはそこまでの興味がないので、読み飛ばしそうになったほどで(笑)
アクションシーンも暗殺者グレイマンのマーク・グリーニーにも負けてない。というかこちらの方が迫力あるかも。
トムやカヒルの方がグレイマンよりも「すご腕」だったりしてw
プロットに瑕疵がないとは言い切れないけど、アクション系がお好きならばなかなか楽しめます。
このシリーズは米国ではあと二作ほど刊行済みとのことなので、是非ともお願いしたいです。
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