ヨーナ警部シリーズはまだ続く「墓から蘇った男」

「催眠」に始まったラーシュ・ケプレルのヨーナ・リンナ警部のシリーズは、この「墓から蘇った男」で7作目をむかえた。

少しブランクがあった「砂男」以降は、なぜこんな強烈な展開に?!というほど、ヨーナに悲劇が襲いかかる。

日本ならどれほど優秀であろうが、一旦収監された人間が現場復帰などあり得ないが(一般人が知らないだけで超法規的措置とかあれば別だが)そこは北欧、というかフィクション。
「ウサギ狩り人」で警察官として復帰したヨーナはようやくのことで宿敵を葬ったかのように見えたが、本書のタイトルから察することができるように、やっぱり蘇っちゃうのである。
まあ、でも死んではないよね的な感じだったしなぁ。

その「墓から蘇った男」とヨーナとの最終対決が本書のストーリーになっている。

その怪物は、これまでどんなことをしてきたのか。いかにして怪物になったのか。
後者の部分は私には今ひとつ分かりかねるところもあったが、何かしらの要因があってそうなるとも限らない。

その怪物が為してきたのは、大雑把に言えば、他人の人生を破壊し地獄に突き落とす、という行為なのだが、実利を得るためではなく、感情的な満足感を得るためなのである。

何で読んだのかは忘れたが、日本人は例え自分が損をしても他人が得をするのを防ぎたい思う傾向があるのだそうだ。他人の幸福をよく思えない。
怪物のそれとはレベルが違うので一緒にしてはいけないのだろうが、このことをなんとなく思い出してしまった。
ただ、そうした悪意が増幅すれば、人は怪物になるのだろうか。

全体を覆う陰惨さと気味の悪さは、北欧ミステリーならでは。
アイスランドのミステリーなどをみても、日照時間と国民性はやはり相関関係があると思う。
なんと言っても、初っ端見つかるのがヨーナの亡き妻の頭蓋骨なのだ。
結局私も「催眠」以降の全てを読んでいるのだから、ラーシュ・ケプレルという作家夫婦の作品には、抗えない魅力があるのは確かなのだが、描写はえぐいし、とにかく物語自体が陰惨なので、決して万人向けとは言えない。
暇なので「催眠」から一気に読んでみようかという方はなかなかいないだろうが、鬱になっても責任は持てませんレベルですw

しかも、実はシリーズはまだ終わらないw
それどころか次回も凄そうなのです・・・

 
 
 
 
 
 
 

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