以前から行きたかった「モネ展」に行ってきた。
特別出展のド・ベリオ医師のコレクション「印象、日の出」の展示はすでに終了していたが、パリ16区のマルモッタン・モネ美術館所蔵の選りすぐりのコレクションを観てきた。これは日本で観ることのできる「究極のモネ展」らしい。
モネのスタートは風刺画家(カリカチュア)だったらしい。
有名人の特徴をデフォルメして描いたりするアレである。このカリカチュアの売り上げは結構なお金になったらしく、そのお金で若き日のモネはパリへ出てきたそうだ。
モネの絵は、圧倒的に風景画が多いものの、次男ミシェルをはじめとする家族の肖像画も残している。
カリカチュアの名残なのか、それらの肖像画は、その人物がふとした瞬間に見せるその人物特有の表情が描かれている。(ように見える)
例えば、織田裕二なら(古い!)口角を下げて笑うところなどだろうか。
モネ自身の作品のほかに、彼が収集した美術品も展示されていた。
ドラクロワや、ウジェーヌ・ブーダンの水彩画、ルノワールやカミーユ・ピサロら印象派の作品、ロダンの彫刻などだ。今では一財産どころか、大富豪になれそう。
生涯にわたる友人だったルノワールの手によるモネ本人と彼の妻の絵も観られた。
しかし、やはりジヴェルニーに落ち着いた後の絵が一番好きかも。
有名な「睡蓮」を描いたのもこの時期。
モネは同じモチーフを何度も描くのが好きだったようで、いろいろな季節や時間の「睡蓮」を描いている。
ゴッホの絵は、観ていてこちらが辛くなってしまうが、モネの絵は穏やかな生活が見えてくるようで安心できる。自分で庭を設計し、草花を植えて池をつくり、それをまた絵画にしたのだ。究極のスローライフ、うらやましい。
最晩年は白内障の影響もあったというが、より荒いタッチの抽象画のような画風に変わっている。 ぱっと見、何が描かれているのかわからないほどだ。でも夏の強い日差しの日など、こういう風に見えることもあるかもしれない。
もしかして、モネは思ってたよりもずっと革新的な画家だったのかもしれないと思う。
音声ガイドの声は、あの田辺誠一画伯だった。
田辺画伯によるモネは、カルビーのカールおじさんに似てる…
美術館をでると、上着は必要ないほど暖かい。
上野のイチョウもちょうど見頃だった。 もう今週あたりで終わりかな。
公園改札のそばのシーズカフェ。モネ展期間中限定の「モネカフェ」。
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