ティツィアーノとヴェネツィア派展に行ってきた!

さぼっておりましたが、、、一応、生きております。

 
生存確認したところで、東京は桜の開花宣言!🌸
ということで、開催期日の迫っているティツィアーノとヴェネツィア派展に行ってきた!
 
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東京の満開予想は4月1日〜2日で、ちょうど週末ということもあり、
上野近辺もすごい人になりそう。
 
 
とはいえ、ここのところの寒さで上野の🌸もまだまだ咲き始めたばかり。
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さてさて、わたしのなかでは、ティツィアーノといえば、
ウフィッツィ美術館所蔵の「ウルビーノのビーナス」
Venere di Urbino 
このエロさ、この肌、この髪、この赤の使い方!
 しかし、残念ながら今回は来日ならず。
もう一回、観たかったなぁ。
 
さて、この特別展示では、ローマ、フィレンツェと並んで、ルネサンス美術の中心地として輝かしい発展を遂げてきたヴェネツィア派の絵画と、ヴェネツィア美術界のみならずヨーロッパにまで広く影響を与えたティツィアーノの作品を時系列的に観ることができる。
 
今回の音声ガイドのナビゲーターは別所哲也さん。
 
見所はやはり、初期の代表作「フローラ」と、日本初公開の「ダナエ」だろうか。
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花の女神「フローラ」はティツィアーノが25歳の作品で彼の出世作だという。
純白の衣装は実はこの時代流行っていた下着で、しかも片方の乳房はむき出し。
しかしフローラの顔は聖女のような純真で、純白の下着は花嫁衣装のようにもみえなくもない。よくみると結婚を意味する指輪もはめている・・・
フローラのなかには聖と俗が混在しているのだ。人がフローラに惹かれるのはこうした相反するものの混在ゆえかもしれない。
先日放映されたNHKの日曜美術館では、これはヴェネツィアの高級娼館のポスター的なものだったのでは?と言っていたが、真相はいかに?
 
 
続いては「ダナエ」
 Danae 
この絵もティツィアーノらしくエロさ全開。それでいて下品ではない。
 
「フローラ」で一躍セレブたちの人気画家となったティツィアーノだが、当時セレブたちはヌード画を欲しがったのだという。
当時は宗教の厳しい戒めに縛られていたため、画家は神話にかこつけなければヌード画を描くことはできなかった。神話にでてくる人やら神やらは、ほら、たいがい裸族だから。
裸族といえば、最近友人がそうだと知ってちょっと驚いたことがあったっけ。
 
それはさておき、ティツィアーノという人は、こうしたニーズに的確にこたえる能力に長けていたのだと思う。
セレブなクライアントは、神の絵がほしいのではなく、実は、寝室に飾りときおり密かに仲間うちに自慢できるエッチな絵を欲しがっていたのだ。
 
このダナエは、枢機卿アレッサンドロ・ファルネーゼが「ウルビーノのビーナス」よりもさらに官能的な絵が欲しいというオファーにこたえたものだという。
裸で横たわっていたヴィーナスよりも、足を開かんとするダナエのポーズはさらに扇情的だ。
ティツィアーノの長男は聖職についたいたため、この絵は長男が安定的な収入を得られるようにとの賄賂的な意味合いもあったのだという。
この絵を見た枢機卿の使者は絶句し「この絵は聖職者をも堕落させる」と言ったとか(笑)
 
ギリシャ神話のダナエをモチーフにした絵は、様々な画家によって数多く描かれている。アルゴス王の娘ダナエは自分の子供が父親を殺すという神託を受けたため、父である王に塔に幽閉されていたが、黄金の雨に姿を変えたオリンポスの神ゼウスによって男児を身ごもってしまうというシーンだ。
ティツィアーノの絵では、黄金の雨は降り注ぐ金貨として描かれる。このダナエの顔は、枢機卿の愛人のものであり、金貨は「お金で繋がる男女の関係」を暗示しているとも言われている。
 
 
ガイダンスによれば、ミケランジェロやダ・ヴィンチなど、物を見て写生することこそが大事というフィレンツェ派と、ティツィアーノを中心とする色彩の豊かさと美しさを大事するヴェネツィア派は、ライバル心を持ちお互いを意識しあっていたという。
(ダナエは他に2点だるがプラド所有の後年のダナエ)をみたミケランジェロは、「ティツィアーノの色彩も様式も気に入ったが、ヴェネツィアの画家は最初にデッサンを学ばないのは残念だ」と言ったという。
 
ダナエのすぐそばには、ティントレットの「レダと白鳥」が展示されていた。
ティントレットの作品では、構図や配色がよりダイナミックになっている。
Leda and the Swan 
ティントレットはティツィアーノに弟子入りをしたが、その才能に恐れをなしたティツィアーノに3日で追い出されてしまったという逸話があるそうだ。
 
 
かのヴァザーリをして、「天は彼にただひたすらその才と幸福のみを与えられた」と言わしめたティツィアーノ。
その言葉の通りに長命で、その豊かな色彩と幾重にも絵の具を塗り重ねて作る質感、繊細で素早い独特の油彩画法は、ローマ皇帝カール5世や教皇パウルス3世等々、時の権力者に愛されたという。
 
Portrait of Pope Paul III 
 
 
 

 

2件のコメント

  1. SECRET: 0
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    こんにちは、
    私も『ティツィアーノとヴェネツィア派展』を見てきましたので、画像と鑑賞レポートを読ませていただき、この美術展で作品を見た感動を再体験することができました。色々素晴らしい作品を見ることができましたが、特にティツィアーノ・の『フローラ』では、つややかな肌の質感が、柔らかい光に照らされて浮かび上がってくる美しさに感激しました。の眼に涙を浮かべ天を仰ぐ『マグダラのマリア』は大変美しく、マリアの敬虔さと美しい女性の適度の官能的側面がよく調和に魅力を感じました。
    私もこの美術展を見て、代表的な作品の魅力とヴェネツィア派絵画とフィレンツェやローマのイタリアルネサンスとの違いを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。内容に対してご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。

  2. SECRET: 0
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    コメントありがとうございます。
    絵画は好きなのですが、如何せんシロウトなもので・・・
    「エロさ」とか「裸族」とか、本当に恥ずかしい限りです(爆)
    ブログ記事で勉強させていただきました!

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