日曜は朝から冷たい雨だった。
しかし、雨にも負けず読書会は開催される。
マークはジャガイモで生き延びたが、われわれは受付でお茶とともに一人一袋のポテトチップスを渡された。
さらにはスイートポテトの差し入れまでもいただき、まさにイモづくし。
この日の参加者は22名という盛況ぶりだ。
****※以下『火星の人』ネタばれあります
本書の全体での平均は8.5点
これは点数をつけはじめて以来の高得点だ。
読みやすいということもあり、私のグループでは普段はSFは読まないという人が殆ど。しかし高得点がゴロゴロ。
高得点の理由は、
・とにかく楽しく読めて読後感も良い。
・こういったコメディ風のハードSFは今までになかったので新鮮。
・軽妙でユーモラス
・非常に近しい近未来のことを描いているので、親近感が持て理解しやすかった。
・科学的知識も手抜かりなく描かれている。
・読後感がよい。
・命の危険がある人(マーク)を垣根を超えて皆が一生懸命に助けようとするというストーリーに好感を持った。
読んだ時に、ちょうどイスラム国に後藤さんが拘束されネットなどで誹謗中傷されていた時だったので、現実もこうなるといいな、と思って読んだという人も。
この読書会にあたり訳者の小野田さんからメッセージもいただいた。彼女の思惑通り、プッと噴き出しながら楽しく読んだが、メッセージにあったように可愛げのあるユーモアこそが本書の生命線だろう。
マイナス要素は
・ラストが予定調和的すぎ。
・クルーの面々の人物造詣がステレオタイプ、単純すぎ。
・ルイス船長の責任を問う調査員会の可能性を知ったマークの言葉として「おまえらの母親は娼婦だ」という発言や、中国のエンジニアにつくってもらったスープにミッチが「目玉が入っていたかもしれない」に嫌悪感を抱いた。
・ミッチがクルーにマヌーバのプランを送ったことに違和感。本来なら懲罰もの。
万人受けということのなんと難しいことよ・・・
私のような鈍感な人ともかく、エスニック・ジョークなどセンシティブなものについてはその扱いも難しいのもまた事実だ。訳を工夫すればという意見もあったが、例えば「おまえらの母親は娼婦」を「おまえの母ちゃん、で・べ・そ」にしてしまったら、テイストが違ってきてしまうのではないか。
翻訳者の方も気をつかうところだろう。
リアリティは、そもそもそれを追求してしまえば、マークは見捨てられる可能性のほうが高いわけで、この物語自体が成り立たないわけでもあり・・・
いや、これってそういう類いの小説だった?
ジャガイモばかりだったマークの食生活は、サツマイモがあれば良かったのにという話題も出た。サツマイモも痩せた土地で育つ作物だし、確かに両方あれば飽きずに食べられるかも。
続いて、映画化のキャスティングについて話題が及んだが、訳者さん情報ではなんとルイス船長はジェシカ・チャンスティンで、彼女のパートは既に撮影済みなのだとか。
ルイス船長、無駄に美人すぎる。
マット・デイモンについては、マッチョなのも知性的じゃないのも理系っぽくないのもいいけど、そもそも彼何歳でしたっけ?
続いて、場所を変えて二次会に突入。
この日は鶏づくしのコースだったが、
女性の皆さんはコラーゲンを補給できましたか?