イタリア旅行3日目の午後、悲劇は起きた。
なんと、カメラのバッテリー切れ。
そういえば、充電せずにきちゃったからな。
同時に夫のキャノンEOSも電池切れ。
ゆえに、ローマからフィレンツェに向かう途中に立ち寄ったオルヴィエートの街の写真がない。これには二人ともがっかり。
オルヴィエートは崖の上に築かれた城壁の街で、ワインも名物。
ちなみに、ワインは1人3本までは無税で持って帰れる。
そのつもり満々で、スーツケースにはプチプチとガムテ、万が一割れても他に被害を及ぼさないためゴミ袋まで周到に用意していった。
日本人が経営しているお店は緩衝材で梱包してくれるが、普通のところはポンと袋に入れて渡されるだけ。プチプチとガムテは必需品なのだ。
「太陽の道路」を北上し一路フィレンツェへ向かう。
フィレンツェに到着した時は、もう日はどっぷりと暮れていた。
ホテルの部屋からはクーポラが!
急いでちょっとだけ充電して撮ったのがコレ
翌朝はアルノ川沿いを歩いて、シニョリーア広場にでかけてみよう。
お天気はうす曇りでちょっと怪しげ…でも、まさに「ハンニバル」的な天気?
『ハンニバル』のなかでレクター博士が暮らしていたヴェッキオ宮。
でも、ここに飾られているダヴィデもポセイドンももちろんレプリカ。
フィレンツェ市民から非常に評判の悪い金ピカオブジェ。早く撤去してほしいと言われているそうだ。
トマス・ハリス的モード。
ウフィッツィ美術館に到着。
ここは、ルネサンス絵画を所蔵した世界最大の美術館。ヴァチカン同様、空港並みの手荷物検査がある。が、、、あるにはあるのだが、そこをくぐり抜けた後は、
警備員たちは居眠りしてるかスマホに夢中。
緊張感もやる気もナッシング(笑)とイタリア人に呆れたところで、さあ、行きますよ!ウフィッツィ美術館の名画鑑賞に。
廊下の天井はグロテスク装飾がほどこされている。このグロテスクという言葉は、我々は日常「不気味な」というニュアンスで使用しているが、もともとは地下墓所や洞窟を意味するイタリア 語“grotta”からきているのだそうだ。
廊下の窓からはヴェッキオ橋が見えた。
ウッフィツィに来たのなら、何はなくともボッティチェッリの有名な絵を見なくては!
「ヴィーナスの誕生」
モデルは、当時フィレンツェ一の美女といわれていたシモネッタ・カッタネオ・ヴェスプッチ 。
「プリマヴェーラ」にはいくつか見方があるそうだが、右からみていくとわかりやすいという。
右端には西風のゼフュロスがいて、頬をふくらませ、青い顔で西風を吹かせ、春を運ぶ神だが、彼はニンフを掴んでいる。
ゼフィロスにつかまれたニンフは、口や指先から花をあふれさせ、花の女神フローラに変身しようとしている。その左隣は、すっかり変身し終わったフローラだ。
中央の一段高い位置にいるのが、愛の女神アフロディーテ。他のものよりも高い位置にいるのだが、遠近法が用いられていないために浮き上がっているようにみえる。
女神の左隣にいるのが三美神。右は「美」、中央が「貞節」、左が「愛」。
実はこの三人、仲がよくないらしい(笑)「愛」と「貞節」は目をそむけているが、「美」がこの二人の仲を取り持っているといわれている。
「美」のモデルは「ヴィーナスの誕生」と同じシモネッタ・カッタネオ・ヴェスプッチなのだそうだ。
東京都美術館でも来年からボッティチェッリ展をやるようだけど、この2点はこないらしい。
下の絵と同じモチーフ、ベッツォーリ美術館所蔵「書物を読む聖母子」が来日する予定。
続いてはこの方の部屋。レオナルドさま。
ご存知ダヴィンチの「受胎告知」
この絵は様々な謎を孕んでいるが、このテーブルも謎のひとつ。
どの角度からみても、正面を向いているようにみえる。
忘れちゃいけないミケランジェロ
「聖家族」通称トンド・ドーニ。
お次はティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」
見る角度を変えても、ヴィーナスの視線はこちらを向いている。
そして、締めはカラヴァッジョ
劇的なその絵同様に、画家その人の人生も劇的だ。賭け事の口論がきっかけで友人を殺した経験をもつ。
そんなカラヴァッジョだが、日本でも2016年3月から国立西洋美術館で、カラヴァッジョ展も開催されるそうだ。
カラヴァッジョの傑作「イサクの犠牲
メジャーな絵だけを慌ただしく紹介したのだけれども、見るべき絵はもっと多くある。この日は比較的空いていたらしくラッキーだったが、やっぱり何日か滞在してゆっくり見たい。
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