白夜の一族 / スティーヴン・ロイド・ジョーンズ

ウィンブルドンもセカンドウィークに入り面白くなってきた。
思いの外頑張っているのがチェコのベルディヒさん。チェコ語というのは、世界一難しい言語だと聞いたことがあるが、発音も難しいらしい。彼の呼び方もベルディヒ、ベルディハ、ベルディフというハ行三段活用(笑)

それはさておき、本書はハンガリーの特殊なある一族に生まれた男と、彼に追いかけられ続ける家族の物語だ。上のテニスの話とは、苦しい東欧繋がりということで・・・(笑)
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物語は主人公の女性ハナが、重体の夫とまだ9歳の娘を連れ、必死に逃亡するシーンから始まる。ハナの夫のネイトは瀕死の状態だが、一刻も早く隠れ家にいかなければならなかった。追手は”ジェイカブ”という名の怪物で、身勝手な執念に取り憑かれている。
ハナの家族は、代々ジェイカブから逃げ続けてきた。ハナの母も、祖母も、その親も。ジェイカブは、驚くほど長寿な一族だ。老いを知らないばかりか、その姿を自在に変えることができる。そのため常に注意を怠ることはできない。
ハナは、娘リアのために逃亡する生活から抜け出すべく、ジェイカブに立ち向かおうとするが・・・
 
the old diary
物語は、現在ハナの物語を軸に、1970年代のオックスフォードと19世紀のハンガリーと交互に舞台を変えつつ展開していく。
その過程で、なぜハナたち家族はジェイカブから逃げ続けなければならないのかと、ジェイカブがいかにしてジェイカブになったのかが明らかにされるのだが、というか、こういう漫画を読んだことがあるような気がする・・・
 
日本を含めて6カ国で翻訳され、英国アマゾンでは高い評価を得ているというので読んでみたのだが、最後がかなりグズグズ。超自然的存在を描くのだからこそ、もう少しカチっと仕上げてほしかった。

原題は「The String Dairies」で、”革紐でとじられた何冊もの日記”という意味だという。この日記は、代々ハナの家に伝えられるもので、ジェイカブに付きまとわれた家系の人たちが、生き延びる知恵を子孫に伝えようとしてきたものだという。タイトル的には、原題のほうがしっくりくるかな?

 

 

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