ゴッサムの神々 〜ニューヨーク最初の警官〜 / リンジー・フェイ

続編の『7は秘密 』が結構面白かったので、『ゴッサムの神々 』も読んでみた。

 

 

結論からいえば、『7は秘密』のほうが私は好きだったかな。テーマが明確でわかりやすいしまとまってる。

ただ、気になっていた登場人物の過去のしがらみがわかったのは良かった。ミスター・ピースト(主人公の同僚の警官)の年齢には驚かされた!

物語の舞台は1845年の夏のニューヨーク。
バーテンダーだったティム(ティモシー・ワイルド)は火事で顔に大やけどを負ってしまう。
バーテンは一目に触れる仕事だ。この顔ではもう戻れない。そんなティムに兄ヴァレンタインは、警官にならないかと持ちかける。

折しもニューヨーク警察は創設されたばかり。熱心な民主党員で消防団員のヴァレンタインは、自分も分署長におさまる。かくして、ティムは第6区の警官として働くこととなったのだ。

ある夏の夜、ティムには少女バードに出会う。ネグリジェを着ていたが、ぐっしょりと血に濡れていた。
彼女はティムに「彼、切り刻まれちゃう」と言って気を失うが、果たしてその翌々日、ゴミ捨て場で少年の惨殺遺体が発見される。
12歳くらいのアイルランド人少年とみられる遺体は、腹部を大きく十文字に切り裂かれ、内臓が取り出されていた。
ティムの想い人の牧師の娘マーシーは、その少年を知っていた。彼女によると彼はマダム・マーシュの売春宿の少年リーアムだという。幼い子供の売春婦だ。バードもまたマダム・マーシュのところで働かされていたのだ。

Potato Famine

アイルランドで主食であるジャガイモの疫病が流行り、飢えからのがれるために、アイルランド人が大挙してアメリカへ渡ってくるという時代の話。
物語の大きなテーマはその移民たちが信仰するカソリックと、アメリカ人のプロテスタントの宗教的信条的対立なのだろうが、ちょっと私にはわかりにくかった。

ティムとヴァルの兄弟には、マダム・マーシュという天敵がいるのだが、この戦いがひとつの見せ場。
マダムは、頭もよく強い政治的コネも持っているという強敵だ。優雅このうえない目鼻立ちで、美しく着飾っている彼女は、定番の悪い女の魅力たっぷり。
サイコパス的にも描かれているのだが、その生い立ちは少し面白そうでもある。彼女を主人公にしてスピンオフも書けそう。

本書はどうやら三部作とのことらしいが、決着はつくのだろうか。
というより、出るのかな?

 

 

 

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