ここ最近食指が動かなかった北欧ミステリ。
帯に「北欧ベストセラー」とあったので、どんなものかいなとポチってしまった。
正直いって「世界中が震撼!」はしないと思う・・・
物語の舞台はノルウェー。主人公は前の事件で左遷されたホールゲル・ムンク(男性)と、刑事を辞め田舎の島に引きこもっていたミア・クリューゲル(女性)のコンビである。
初老の数学オタクで太っちょのホールゲルは優秀な捜査官で、オスロ警察で殺人捜査課の特別班を率いていたが、ミアが起こした事件のせいで今は田舎警察に甘んじていたのだ。ところが、ある事件がきっかけでムンクは第一線に引き戻される。
その事件とは、幼い女の子が木から吊るされるという衝撃的なものだった。人形のようなドレスを着せられ、しかも首にはノルウェー航空の「I’m travering alone」のタグをかけられて。
ムンクの復帰の条件はミアを連れ戻すことのみ。ムンクはミアが警察学校の学生だった自分に引き抜き、以来タッグを組んで事件を解決してきた秘蔵っ子だ。
ミアは写真をみただけで同様の事件がまた起こると見抜き、実際に次の犠牲者が発見される。
しかも、この事件は2006年に女の赤ちゃんが連れ去られた事件と関わりがあるようだった。赤ちゃん連れ去り事件はスウェーデン人看護師のヨアキム・ヴィークルンドが「誘拐の責任を取る」と遺書を残し首を吊ったことで幕引きとなったが、連れ去られた赤ちゃんは発見されず、迷宮入りしていた。
しかも、この事件は2006年に女の赤ちゃんが連れ去られた事件と関わりがあるようだった。赤ちゃん連れ去り事件はスウェーデン人看護師のヨアキム・ヴィークルンドが「誘拐の責任を取る」と遺書を残し首を吊ったことで幕引きとなったが、連れ去られた赤ちゃんは発見されず、迷宮入りしていた。
首を吊ったヨキアムは果たして犯人だったのか。もし真犯人がいるのならば、目的は何なのか?
数学とクラシックと煙草をこよなく愛する太っちょのムンクと、第六感に優れ、アメリカ先住民のような面立ちとノルウェー人特有の青い瞳のミア。
こういうキャラも雰囲気も嫌いじゃない。
こういうキャラも雰囲気も嫌いじゃない。
ただ、このボリュームからすれば価格はお高めで、Kindle版だからなのかもしれないが、2,000円もするのに、「訳者あとがき」もなく全然関係ない研修本の適当文字だけ広告を見せられるのは確かに白ける。色々事情もあるのでしょうが。
真面目な話、どうせなら最初から文庫で出しほしかった。
著者のサミュエル・ビョルクはノルウェーの作家で日本初上陸だと思うのだが、ほとんどなんの情報もない(少なくともKindle版にはない。2,000円もするのに)。
調べてみれば、著者は、いわゆるマルチタレントというやつらしく、シンガーソングライターで脚本家もこなすらしい。
調べてみれば、著者は、いわゆるマルチタレントというやつらしく、シンガーソングライターで脚本家もこなすらしい。
小説デビューは本書らしいが、脚本家と聞いてなるほどと思うことしきり。
人形が着ている黄色いドレス、ミアの黒髪と青い瞳、ノルウェーの海岸に立つサマーハウス・・・
映像的にも映えてそうだ。
ただ、従来の「暗くて陰惨一辺倒路線」「はいはい北欧も大変なんですね的」ではないのは買うが、やはりエンタメ的には欧米に比べて泥臭さがある。
映像的にも映えてそうだ。
ただ、従来の「暗くて陰惨一辺倒路線」「はいはい北欧も大変なんですね的」ではないのは買うが、やはりエンタメ的には欧米に比べて泥臭さがある。
また、「ミレニアム」のリスベットのようなハッキングや直感像記憶というはっきりした能力と違い、ミアのそれが曖昧なものであることに不満を感じる人もいるかも。
事件の真相についても、その経緯についても賛否あるのではないか。
事件の真相についても、その経緯についても賛否あるのではないか。
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