メリークリスマス!
皆さん、どんなイブをお過ごしだったでしょうか?
早いもので、今年も残すところ一週間。
ということで、私は一人大掃除を頑張った。あとは車だけ!
さて、『ナイスヴィル 影が消える町』 が面白かったので、続編も心待ちにしていたのだが、予想より早くkindle版が出たので早速読んだのだ。
本書は警察小説やノンフィクションで有名なカーステン・ストラウドによる全三部作のホラー小説である。
全三部作で全て上下巻と、確かにボリュームはあるがこれを読まずには何も始まらない。S・キングが好きな人は絶対好きだと思う。
第一部では、全米平均の5倍もの行方不明者が出る町、ナイスヴィルでレイニー・ティーグ少年が忽然と姿を消すところから物語は始まる。その後、レイニー少年はおよそありえない場所で発見され、彼の両親は相次いで自殺を遂げる。他にもナイスヴィルの創立にかかる4家族の面々が次々に行方不明になってしまう。それには、ティーグ家の先祖が起こした出来事が深く関わっていると思われた。
両親を亡くしたレイニー少年の身元引き受け人となったのが、本書の主人公ニックとケイト夫婦だ。
一方、保安官代理のコーカーと元警官のダジンガーらは、銀行強盗を見事成功させる。だが、仲間割れからダンジガーはマールを殺してしまう。
マールは不思議な農場で手当てを受け、その女主人グリニスの僕として二つの世界を行き来するようになる…
第二部の本書では、銀行強盗の顛末とその後のレイニー少年の変貌を軸にして物語が展開していく。
コーカーたちは、現金の他に元FBIでセキュリティ企業の経営者バイロン・ディーツの金庫からフリスビー状のものを盗んでいた。”国家機密”級のそれは、ディーツにとって命取りになりかねないものだった。
それを取り戻すため取引に応じるディーツだったが、コーカーらに罠に嵌められ銀行強盗の罪を着せられて逮捕されてしまう。さらに、ディーツに裏切られ、投獄されてしまった三人の囚人たちは、復讐のためにナイスヴィルに刺客を送り込む。
他方、昏睡状態から目覚めたレイニー少年には、”何か”が取り憑き以前の彼ではなくなってしまっていた…
冒頭、いきなりカラスの大群のハードストライクでリアジェットが墜落したり、派手なカーチェイスが繰り広げられたり、銃撃戦があったりとアクションは派手目。サイコパスの刺客やマフィアの未亡人などの登場で、犯罪小説としての趣も強くなっている。
一方で、最も重要な謎であるレイニー少年の素性がついに明かされる。
レイニーはティーグ家の養子だったが、実はその出生証明や養子縁組の書類は偽造されたものだったのだ。
当初、ナイスヴィルの全ての元凶は、創業4家族に対する女の怨嗟だとばかり思っていたのだが、ここにきて一転、ようやくナイスヴィルで怪事件を起こしているものの正体がおぼろげながら見え始める。
あんなに大風呂敷を広げてしまってどう収拾するのだろう?という心配は、すっかりなくなった。あるのは期待のみ。
ハードアクション満載で、心拍数が上がるほどスリリング。それでいてアメリカ南部の田舎町にいかにもありそうな超現実的魅力に満ち満ちている。
そしてまたもや、三部では、早々にケイトとニックに大変なことが起こりそうな予感が・・・
第三部が待ち遠しい。
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