さよなら、シリアルキラー / バリー・ライガ

バブりん全仏優勝おめ〜でとう!!!!!!
ジョコビッチは、まさかバブリンカに油揚げをさらわれちゃうとは・・・。
もう全仏はとれない運命だったりして。

 

さて、本書もまた運命と闘う少年の物語。
ミステリーというよりはYAであり、著者が漫画業界に身を置いていたということもあり多分に漫画的だ。主人公の心情なども吹き出しのごとく全て書いてあり、漫画のようにさくさく読める。

主人公の少年“ジャズ”ことジャスパー・デントの父親は21年間で100人以上もの殺人を犯した21世紀最悪と言われるシリアル・キラー、ビリー・デントだ。

ジャズは、父が逮捕されたその日まで”シリアル・キラーとしての英才教育”を受けて育った。父の逮捕後は、生まれ育った田舎町で祖母とともに暮らしている。

あるとき、ジャズの暮らす田舎町で遺体が発見される。その指が切り取られ持ち去られていたことから、ジャズはこれは連続殺人だと確信する。
指は犯人にとっての戦利品で、必ず第二、第三の殺人は起こる。シリアル・キラーとしての英才教育を受けた彼には犯人の考えがよくわかった。彼は保安官にそれを訴えるが、取り合ってもらえない。

保安官は、何を隠そうジャズの父を逮捕した張本人だが、この小さな街でジャズが再び不本意な注目を浴びてしまうことを懸念していたのだ。

だが、ジャズの予想通り次々に遺体が見つかり、そのどれもが指を切り取られていた。
ジャズは、殺人者の心理を分析し、犯人を突止めようとするが・・・

 

 

一体犯人は誰なのかはもちろんなのだが、本書の面白さは、ジャズの複雑な内面にある。
よく人は遺伝と環境それぞれの影響を受けるというが、彼の場合正真正銘の捕食者の血を引き、その英才教育まで受けているのだ。
この呪われた生い立ちのせいで、いつか彼自身も父親のような殺人鬼になるのではないかと他人は思っているし、彼自身もそれは間違っていないと思っている。

だが、ともすれば父の側に堕ちてしまいそうになるジャズを繋ぎ止めてくれているのは、親友のハウイーと彼女のコニーの存在だ。
血友病A患者のハウイーは、ほんの少しのことで出血死してしまうほど弱いが、彼だけは父親が逮捕された後も変わらず親友でいてくれる。
そしてコニーは…父親の被害者の殆どは女性で、ジャズ自身も自分を恐れていたが、コニーだけは絶対に大丈夫だという思いにすがってもいる。

ジャズの血と生い立ちをめぐる闘いの行方は果たしてどうなるのか?そして、この連続殺人事件の犯人は…?

そりゃYAなんだから、絶対ジャズがダークサイドに堕ちるわけないし、犯人だって捕まるんでしょ?というそこのアナタ!
そんなに物事は単純ではない(かもしれない)

そして、本書は三部作の第一作目。ジャズの闘いはまだまだ先が長い。そして面白さもこれからが本番だという気がする。
実は、最後の最後にどんでん返しとかあったりして・・・

 

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