読書会

「黒い瞳のブロンド」ハードボイルド・ミニ読書会

2015-02-08

昨日に引き続き読書会。
この日は少人数でゆるゆると・・・

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まずはマーロウにちなんでギムレットで。

なんかカクテルグラスが違う・・・?
運んでくれた方がなにか言い訳してたけど、ま、いっか。

ギムレットを飲むのはどういう味だったか忘れてしまってるくらい久しぶりだったのだが、なるほどこれは仕事を終えて一杯やりたくなるカクテル。
働いてないけど・・・。

 

 

※以下、『黒い瞳のブロンド』のネタバレまくりです。

まずは「黒い瞳でブロンド」っていうのはあり得るのかという話になる。
だいたい、ブロンドというのは青い瞳とセットと相場が決まっているのだ。
そういえば、チャンドラーの妻シシーも、ヤグルマギクの青い瞳に、ふわふわとしたブロンドが自慢の美人だったという。
ヤグルマギクというのはチャンドラーが美女の瞳の色や、空の色を喩えるのに好んで用いている。

翻訳家の小鷹氏は当初チャンドラーの創作ノートに残された「THe Black-eyed Blonde」という言葉から、”目のまわりに黒あざのある”と考えたというが、それは全く不思議ではない。

私は、てっきりクレアは染めているのかと思ってたのだが、作中に出てくる高校生の頃の写真もまたブロンドのショートカット。
もうそういう設定としてやってしまっているたのだろう。

「黒い瞳のブロンド」は色素遺伝子の組み合わせ的に存在するのかは疑問だが、ヴァネッサ・ウイリアムズみたいに、黒人でブルーアイという人もいるので可能性はなくはないのかも。

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ついでの疑問は、なぜテリー・レノックスはあんなにモテるのか?
マーロウがモテるのはわかるのだ。しかしテリーはどうよ?

テリー・レノックスはご存知のとおり、『長いお別れ』でマーロウとしばし男の友情を育んだ男であるが、これがモテる。
本書でも重要な役割を果たしているのだが、特に本書ではなぜそこまで女性が執着する男であるかがいまいちわからなかった。

男性にも女性にもその魅力がわからない男、テリー…。

概ね、別作家が書いたものとしてはよく出来ているという評価だったが、もう少しクレアとのいきさつなどが書き込んであればもっとすんなり納得できたかも。




また、本書では、上手に『長いお別れ』でと登場した小物が使われている。
あの白い豚皮の英国製のスーツケースもそうだ。あれで、ああ背後にいるのは彼なんだなと読者に思わせるのだ。

映画に登場したネコもあえて出演させてたりもしている。
ロバート・B・パーカー『プードル・スプリングス物語』 と比べると、バンヴィルは、チャンドラー特有の少しキザで捻りを聞かせた表現もよく再現していて、全体的にとても研究して書いているんだろうなぁという感じがした。

私は割と映画版も好きなのだが、エリオット・グルードは違うんじゃないかという人も。
確かに。和田誠さんもそういってた。

ただ、原作とは別ものとしてあれはあれで良いのではないか?衝撃的なラストも含めて。

ところで、チャンドラーといえば最近、村上春樹も翻訳に取り組んでいる。
だが、この日集まったのは皆、清水訳派。
今回に際し、はじめて春樹訳の『ロング・グッドバイ』 を読んだのだが、『長いお別れ』 と比べると確実に分厚い。そして、なんだか知らない描写などもたくさん出てくる。

それは清水さんが、原文をかなりカットしていることに由来しており、春樹はそれに忠実に翻訳したからなのだとか。

ただ、個人的には春樹訳はどうにもチャンドラーという気がしないのだ。
例えばマーロウの身支度など、ディテールが細かく書き込まれていることによって、『羊をめぐる冒険』の僕のようなイメージと重なってしまう。今にもアイロンがけをしてパスタを茹でそうな雰囲気なのだ。

ところで、吉本ばななはイタリアで馬鹿受けしているが、それはとてもいい翻訳家がついているからだという。それと一緒で、たとえ意訳であったとしても、チャンドラーはあの清水訳だったからこそ、ここまで愛される作家になったのではないか。
ただ、一方で春樹訳は馬鹿売れしているともいう。

他にも色々としゃべりまくったのだが、お決まりのようにだんだんと話は逸れていく。

次はディック・フランシスでやりましょう。

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  1. TITLE:未分類愉しそう!
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    飲みながら読書会できるものなのですなぁ・・まあ酔わなきゃいいんだけど。
    しかしつくづく思うことは、チャンドラーのような良いカタチでの文学崩れ(失礼)は稀有であるということ(ロスマクは大好きだけどタイプが違うし)。
    フォークナーやフィッツジェラルドなど、もう少し何とかなって(一時的に崩れて?)作品を残して欲しかった・・おこられる。
    映画についてですが、あの映画『ロング』はエリオット・グールドのキャスティングの妙を活かしたアルトマン流ヒネリを愉しむ(話題にする)ものだと思うけれど、
    そこをふまえずに、原作に固執するヒトと会話してもうまくかみ合いませんわなぁ。
    自分はしかし映画肯定派のSpenthさんと同じでウレシイ。
    普通に映画のハードボイルド的妙味を話題にするなら、無難にポランスキー「チャイナタウン」、マーロウ絡みでリチャーズ「さらば愛しき女よ」(マーロウ:ロバート・ミッチャム)、あとコーエン「ミラーズ・クロッシング」あたりを流してそれで充分かも・・(でがらし感)。
    ディック・フランシス・・「大穴」「利腕」は外せない?
    ではまた!

  2. SECRET: 0
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    naoさん、こんばんは。
    そうなんですよ。同好の志のミニ読書会は愉しいです。お近くなら是非にとお誘いしたいとこですが、確か関西でしたっけ?
    ま、飲みながらといっても、半分以上読書会というよりも雑談が中心なんですけどね。趣味が似通っているので、それもまた楽しですね。
    naoさんも映画通なんですねぇ。
    私はWowowで観る派だからなぁ。
    映画版は、まぁ、マーロウのイメージはエリオット・グールドよりも・・・というのはわからなくもありません。
    というのは、最近海外ドラマで「ハンニバル」を観ているのですが、マッツ・ミケルセンのレクター博士が異様に嵌ってる!!!怪演で高評価だったホプキンス最高!と思ってたけど、やっぱり原作的には、貴族的な風貌のミケルセンのほうがぴったりかなとか。
    なので、原作のイメージに拘りたいという人の気持もよくわかるんですよ。
    http://www.star-ch.jp/hannibal/
    これなんですが、我が家はスターチャンネルには加入してないので、私はHuluで観ました。
    はよ、シーズン2もやってほしいけど、Huluは弱っちいからなぁ…
    ディック・フランシス、いいでしょう?
    『大穴』をいただいたので、そのうちやりたいと思っています。

  3. SECRET: 0
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    読書会しかも横浜(日本の西欧!)・・そんなおしゃれで高度に文化的(ハイソ)な街に、自分のような関西人(大阪弁)は似合いまへん・・緊張して何も話せないと思うし。
    自分はそれほど映画に詳しくないかも・・自信なし。
    トシを重ねると、自然観る映画の本数も多くなるわけです。
    マッツ・ミケルセン・・カジノロワイヤルのヒト(印象的!)、憶えてます(スタチャンの「ハンニバル」サイト訪問)。
    ヨーロッパ(西欧・北欧)的な怜悧な品格(気品)を感じさせますなぁ・・きっとこのヒト、吸血鬼の子孫だと思うな。
    Spenthさんのタイプはヨーロッパ系かぁ・・ふーん。
    今突然思い出しましたが、ル・カレの「ティンカー、テイラー・・」が原作の映画『裏切りのサーカス』はなかなかよかったですよ。
    ではまた!

  4. SECRET: 0
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    naoさん、勘違いしてるわ。
    横浜そんないうほどオシャレじゃないですよ。
    ゴミの出し方も最近はうるさいし…。
    それはさておき、『ティンカー・テイラー〜』の『裏切りのサーカス』は私も好きです。
    ゲイリー・オールドマンはその容貌は全くスマイリーじゃないんですが、すんごいいい演技でしたよね。
    そうそう、ミケルセンは『カジノ・ロワイヤル』の人でした。
    あのヨーロパ臭さがまたいいんだ。
    それでドラマの中で、優美に料理をするんですよ。もちろん人肉で・・・

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