税金を払わない巨大企業 / 富岡幸雄

まあ、、、 

大企業が税金払ってないってのはなんとなく知っていた・・・

実行税率の低い企業トップ10に並んでいるのは、三井住友FGやみずほなどのメガバンクに、ソフトバンク、ユニクロのファースト・リテーリング、キリンHDなどの超超優良銘柄ばかり。

不公平感はあるが、逆に節税せずに馬鹿真面目にやっていたら、ここまでの会社になっていなかったかもしれないとも言えるということか。

しかし著者がいうように、「日本の法人税は高いというのは間違い」というのはどうかなと思う。
安くはないんじゃないのだろうか?

問題は馬鹿真面目に払う大企業が殆どないということなのだ。大企業は優遇されているうえに、抜け道も用意されてもいる。

そもそもちゃんと大企業が税金を払っとれば、消費税増税なんてしなくても良いのだ。けしからん!

と著者はいうが、ご高説ごもっとも。
それに消費税増税をすれば、間違いなく景気を落ち込ませるだろう。私なんて、消費税が8%になっただけで日々物価高を骨身にしみて味わっている始末だ。
大企業や富裕層が本来担うべき負担を庶民が肩代わりすることで、中間層・低所得層はますます細っていくという構図になっている。

ただ、著者の理論を実現するためには、大企業やその株主、富裕層が第一に「日本という国のために」という社会貢献の心がなくてはならない。でも、そもそもそれが難しい。
利他的であるには、今の社会はあまりにアメリカナイズされ過ぎており、傲慢資本主義が行き渡り過ぎていると思う。

大企業のトップがことごとく「税金をコスト」をみなしている現実に著者は怒るが、経営者の観点からはやはりコストと見てしまうのも仕方ないだろう。
ライバルは国内企業だけではないし、そもそも会社が儲からなければ雇用も守れない。
それに租税回避の問題は今や世界的問題だ。
確かに不公平ではあるが、コストの削減なくしては生き残れないという企業側の言い分も一理ある。

不思議だったのは、なぜこの本に「宗教法人からも税金をとる」という選択肢がなかったのかということだ。
一番優遇されてるところから少しくらいいただいてもバチは当たらないと思うのだが。

 

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