アルファ/オメガ /フランチェスカ・ヘイグ

ようやく『アルファ/オメガ』 を読み終わった。SFというよりYA。
なんとなくでポチってしまった本だが、結局ダラダラしつつも全部読んでしまった。

設定はかなりユニークだ。
核による”爆発”から400年後、自然もテクノロジーも破壊された世界では、人間は必ず男女の双子として生まれてくる。
双子のうち一人は正常だが、もう一人はどこかしらに異常を抱えて生まれてくるのだ。正常な方は「アルファ」として支配階級を構成し、異常のある方は「オメガ」として額に烙印を押されて隔離される。

「オメガ」は皆、目に見える明らかな異常を抱えていて生殖能力もない。だが、双子のうちの片方が死ねば、もう片方も死にいたってしまうため「アルファ」は、「オメガ」を生かさず殺さず支配している。

そんな「オメガ」のなかに、外見上は「アルファ」と何も変わらないが、未来を予知できる特殊な能力を持つ少女が生まれる。それが本書の主人公キャス(カサンドラ)だ。
そして、彼女はこの歪な世界に変革をもたらそうとするのだが・・・


YAだが、ワシントン・ポストなどの高級紙の書評にも取り上げられているらしい。
訳者の方は「あとがき」で、ギリシャ神話との関係性を述べているが、「アルファ」が「オメガ」を支配するその世界は、今の世の中に通じるところも多々ある。

ちょっとマイケル・サンデル教授の白熱教室的な面白さを感じる。というか、まさにそのものか。
日本語版の想定は漫画そのものだが、意外に深かったりもする。

ただし、案の定三部作なのだ。それくらいのボリュームが必要な壮大な物語とも言える。次が刊行されるかどうかが問題ではあるが。にしても三部作多し。

映画化権利は発売前にドリーム・ワークスが獲得したそうで、映画化される予定なのだとか。かなり予算がかかりそうなので、予定は未定な感じではある。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。