モリアーティ / アンソニー・ホロヴィッツ

『モリアーティ』は、「シャーロックホームズ最後の事件」はなぜ起きたのかを、アンソニー・ホロビッツが描いた描いた作品。

昨年出たミッチ・カリンの『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』といい、シャーロック人気はいまだ衰えずといったところだろうか。
アンソニー・ホロビッツは、『刑事フォイル』の脚本も手がけている英国の人気脚本家で推理作家だ。

物語は、モリアーティとホームズがライヘンバッハの滝で姿を消し、モリアーティと思しき遺体が滝の下流から引き上げられたところから始まる。
語り手は、ピンカートン探偵社の調査員フレデリック・チェイス。彼は、アメリカの犯罪組織の首領デヴァルーを追いヨーロッパにやってきていた。ピンカートン社は、デヴァルーがモリアーティと会合を持つため手紙を書いたという情報を得ていたのだ。

そこで、スコットランドヤードのジョーンズ警部と出会い意気投合。二人は共同戦線を張ることにする。
ジョーンズ警部は、『四つの署名』では間抜けな人物として描かれていたが、チェイスの見たところ優秀な警察官だった。彼はホームズ顔負けの推理力でモリアーティの遺体にあった暗号を解読し、会合の場所を突き止めたのだ。
かくして二人は、デヴァルー逮捕のためにロンドンに戻るが、先々で恐ろしい事件が起きるのだった・・・

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チェイスがワトソン役で、ジョーンズ警部がホームズの役回りを担っている。が、それが一筋縄ではいかないのが本書の面白いところ。

最後の最後にあっと驚く事実が明らかになり、その真相説明がなされる。
言われてみれば、これ以上ないほどに正々堂々とヒントが掲げられているのだが、悔しいかな、騙される。
ずっと妙だなとは思っていたのに・・・
それがまた、非常に「初歩的」なことなのだ。

 

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